愛知県西尾市にある刈宿の大仏は、珍スポットファンには有名です。
しかし実は大仏のすぐ近くに、また別の不可思議なスポットが存在します。
今回は、そんな大仏のすぐ近くにある珍スポット、常楽院閻魔堂について紹介します。
大仏のすぐ近くに
刈宿の大仏は愛知県西尾市の国道247号沿いにありますが、「常楽院閻魔堂」はそこから北へ200mほど行った場所にありました。
上記の写真は、その国道247道沿いの場所ですが、実はこの右手前の茶色の建物が閻魔堂になります。
自動車で道路を走っていると普通の建物と思い、気づかず通り過ぎてしまいそうです。
(実際自分は閻魔堂がの存在を知るまで何度もオートバイで素通りしていました汗)
正面に佇む鬼
この建物正面に回ると少し異様なことに気づきます。
建物の前に2体の石像が屹立しているのです。
近づいてみると、頭から角のようなものが生えていることがわかります。
閻魔、という言葉から連想すると、この像は地獄の獄卒の鬼ということでしょう。
しかし、カッと見開いた目やムッと閉じた口などの表情、全身に占める頭の比重が大きい点など、一般的に連想する鬼とは違った独特な雰囲気を感じさせてくれます。
鬼が抱えているリンゴやミカンなどの果物は地元の人のお供え物でしょうか。
果物は鳥獣類に食べられたためか、実がむき出しになっておりました。。
坐する閻魔様とその周辺
そして格子状の扉から内部を覗いてみると、その建物名の由来となる閻魔様が座っておりました。
さらに近づいて覗いてみると、思ったよりも大きな像でかなりの存在感でした。
王と表した黒色の冠や重々しい灰色の着物、吊り上がった眉毛・見開いた目・ムッと引き締めた口・きれいに伸びそろったひげなどの造形、青みがかった肌などがその存在感に拍車をかけています。
手にもつ筆で開いた書物に地獄の沙汰を書き込んでいるといったところでしょうか。。
閻魔様の左傍らには、閻魔様が作業する台座と同じくらいの高さの犬が座って格子扉側を見ておりました。
その犬の上には、「常楽院」と書かれた紙が額に飾ってあります。
閻魔様手前には、寺院などで必ずある賽銭箱やそこに投げ入れようとした小銭が散らばっております。
また、それとともにトイレットペーパーや傘、雑紙、コンビニ袋などゴミと思われるものが無造作に転がっておりました。
誰かがこの建物内に投げ入れたのでしょうか、心無いことです。。
閻魔様右側には仏像や鬼面など、彼岸の世界を連想させる宗教的オブジェクトが置かれておりました。
常楽院閻魔堂とは?
常楽院閻魔堂とは、いったい誰がどのような経緯で建てたものなのか。
その答えは、珍スポットの定番本「東海珍名所九十九ヶ所巡り」(大竹敏之 著 デイズ/中部経済新聞社 刊)に記されておりました。
大竹氏が近所に住む施設管理者に取材したところによると、この閻魔堂は、刈宿の大仏と同じように、地元有力者の澤常吉さんという方の案によって建てられたということです。
建てられた理由は不明だが、おそらく地元の人の健康や長寿を願って建てられたのではないかということで、常楽院の”常”の字は常吉さんの”常”からつけられたことが推測されるということです。
大竹氏の取材力には脱帽するとともに、刈宿の大仏と近いとはいえまさか同じ人の案によって建てられていたとは驚きでした。
なぜこんなところに!?と大きな閻魔様から感じるロマン、興味がある方はぜひ常楽院閻魔堂へ。
訪問日:2022年1月10日
詳細情報
- 住所 :愛知県西尾市刈宿町後畑444-0321
- アクセス:刈宿の大仏より徒歩3分
- 料金 :無料
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