伊豆スカイラインや大室山、修善寺の温泉街など様々な観光施設が存在する伊豆半島。
そんな観光資源豊富な伊豆半島には、様々な珍スポットがあることでも有名で、休日にはマニアはもちろん、一般観光客でも賑わいます。
そして、そのような伊豆半島の珍スポットの1つには、なんと死んだ後の世界を疑似体験できるというところがあるのです。
今回はそんなあの世のテーマパークとして有名な伊豆極楽園についての話をします。
僕は唯物論主義者。死後の世界なんて到底信じられませんね。
そんなたわけたことを言っている愚か者は死後地獄へ行き後悔することになる。今回の記事を読むことで、このままだとどんなに恐ろしい目に遭うかを学習し、常日頃の自分の行動を反省なさい。
あの世のテーマパーク、伊豆極楽園
今回紹介する珍スポット・伊豆極楽園は、静岡県西部の伊豆市にあります。
この日は東名高速道路から伊豆縦貫自動車道を経由し、月ヶ瀬ICで降りて約800m先にある目的地へ行きました。
白を基調とした問題の建物には、「伊豆極楽めぐり」「伊豆極楽苑」などの言葉が掲げられており、ここが普段の生活からはかけ離れた非日常的な珍スポットであることが感じとれます。
その他にも駐車場に掲げられていた幟には「あの世」「じごく」といった言葉が掲げられており、ここが死んだあとに行く青の世のテーマパークであることを再認識させられます。
また敷地内には「伊豆極楽園」と書かれた看板を掲げながら、にんまりとした笑顔でピースをしている寅パンツの赤鬼が立っていました。道路に近い位置にあるため、運転中の方がこの奇抜な赤鬼に目を取られて事故、あの世に行かないことを祈るばかりです。
建物入口付近にも寅柄のパンツをはき、コロナ対策のためしっかりとマスクをしている青鬼や黄鬼。なんだか楽しくステップを踏んでいるようで、見ているこちらが楽しくなってきます。
さらには伊豆極楽苑で死後の世界の勉強を勧めるもっさりと髭を生やした閻魔大王の案内板。「話のたねにぜひ一度ご覧ください」ということで、早速筆者も受付で料金を支払い、建物内へ突入します。
建物内の説明板によると、この施設は、平安時代の仏教僧である源信によって書かれた往生要集に基づいて作られたということ。往生要集は極楽浄土に関する文章を集めた書物で、地獄の観念が述べられていることでも有名です。
源信もまさか自身が執筆した書物が、後世このような珍スポットを生み出すとは思いもよらなかったでしょう。人間の想像力というのは昔から現在まで計り知れないものがあります。
いよいよあの世の世界へ突入ね。ワクワク
伊豆極楽園は死後の世界を疑似体験できるあの世のテーマパーク。平安時代の仏教僧・源信の往生要集をもとに制作されている。
いざ、あの世の世界へ
受付で料金を支払って建物に入り最初に通されるのが、畳が敷かれた和室スペース。そこには死後あの世へ行く行程が書かれた額縁やガラスケースが展示されています。
ここで一番驚愕・衝撃的であったのは、この施設の係の人が凄みをもった表情で大きな声をあげながら、あの世への行程について順を追って説明していってくれるところでした。ここで平々凡々な日常性は完全に打ち切られ、あの世の疑似体験への期待値が一気に掻き立てられます。
説明を聞き終わった後はいよいよあの世の世界へ。「来世の観光へ出発GO」「来世意見額 命の選択」など刺激的な文字が掲げられた入口から薄暗い空間へ一気に突入していくことになります。
係の人のあの世の説明があまりにも壮絶すぎて、すごくツボにはまったな。
あの世へ行く前に、係の人が凄みをもった表情で大きな声をあげながらしてくれるあの世の解説は秀逸
三途の川
おもしろ半分の軽い気持ちで彼岸の世界へ入場した筆者でしたが、そこには予想以上にとてつもない光景が次々と待ち構えているのでした。
∑(๑ºдº๑)!!
彼岸の世界へ入るとまず最初に目に入ってきたのが、この世からあの世へ行く際にわたるとされる三途の川。岸にはこれからあの世へ渡ることになるたくさんの人がさまよっていました。
三途川(さんずのかわ、さんずがわ)は、此岸(現世)と彼岸(あの世)を分ける境目にあるとされる川。三途は仏典に由来し、餓鬼道・畜生道・地獄道を意味する。
wikipediaより抜粋
三途の川岸にたたずむ人々は、これからあの世へ行くという境遇にいったいどのような気持ちでいるのでしょうか。展示の人形を見る限り、それはあまり明るいものではないようです。
これまたとんでもなく怖い施設に入ってしまったものじゃな
見どころ1:三途の川
賽の河原
三途の川の光景を目に焼き付けたあと、次に見えてきたのはこれまた驚愕の展示。
∑(๑ºдº๑)!!
次に目にすることになるのは賽の河原。三途の川の河原であり、親に先立って亡くなった子供が親不孝の報いで苦を受ける場所とされています。
三途川の河原は「賽の河原」(さいのかわら) と呼ばれる。賽の河原は、親に先立って死亡した子供がその親不孝の報いで苦を受ける場とされる。そのような子供たちが賽の河原で、親の供養のために積石塚(cairn ケルン・ケアン)または石積みの塔を完成させると、供養になる。しかし完成する前に鬼が来て塔を破壊し、再度や再々度塔を築いてもその繰り返しになってしまうと言う。
wikipediaより抜粋
左方には、幼い子供が行った石積みを無残にも打ち崩す赤鬼。情けのかけらもない凶悪の表情からはあの世の恐ろしさを連想させられます。
苦しみがあれば救いもあり。右方には賽の河原をさまよう子供たちを救い守るとされる地蔵菩薩もいます。足元には救いを求める子供たちが群がっていました。果たして子供たちは無限石積みからの救いを得ることができるのか…
見どころ2:賽の河原
奪衣婆
続いて待ち構えているのは、三途の川の向こう岸で亡者の衣服をはぎ取る老婆の鬼、奪衣婆。左右に座る老婆の表情の、これまた恐ろしいこと。
奪衣婆が脱がした衣服は木の枝にかけられ、枝のしなり具合で罪の重さが測られるとされています。衣服をはぎ取られたもので泣いているものもいますが、後悔してもこの段階にいたってはもはや取り返しがつきません…
見どころ3:奪衣婆
閻魔大王の部屋
奪衣婆に衣服をはぎ取られた後は、いよいよ判決を受けに閻魔大王の部屋へ入ることになります。
厳めしい姿で椅子に座り、罪をさばく閻魔大王。罪人はここでは嘘をつくこともできず、現世での罪を自白することになります。泣いて叫んで悔んでも、この段階に至ってはもう取り返しがつきません…
閻魔大王の傍らにたつ赤鬼。目を見開き牙を出した表情のこれまた何とも恐ろしい形相。人間よりもはるかに大きく、筋骨隆々の身体で棍棒を持って立ちはだかれては、罪人には抵抗などなす術もありません…
閻魔大王の隣では、巨大な青鬼により嘘をついた人間の舌の切り取りが行われていました。舌を切り取られた罪人は口から血をだらだらと流してなんとも痛々しい光景。
罪の重さは罪状秤というもので測られるようです。この女性は巨大な骸骨よりもはるかに重い罪を生前に犯したようです。ああ、今になって反省したところで、残念ながら罪の重さが変わることはないのです。
見どころ4:閻魔大王の部屋
餓鬼界
閻魔大王の裁きを受けたあとは、現世で罪を犯した者が行くことになる世界を見ていくことになります。
まずは餓鬼界。説明板によると餓鬼界は下記のような場所であるとされています。
生前に貪欲だった者、物惜しみをしたもの、他人を嫉妬した者がこの世界に行く。ここは地獄ほどの苦痛はなく、鬼に責めさいなまれることは少ないが、飢えや渇きに絶えず苦しめられ、食物、飲物さえも手にとると火に変わってしまうので決して満たされることがない。
展示物説明板より抜粋
どう頑張っても飲食物を口にすることができず飢え・渇きを満たすことができない状況など、想像するのも恐ろしい…やせ細った罪人からはそのような恐ろしい境遇を垣間見ることができました。
見どころ5:餓鬼界
等活地獄
続いて見ていくことになるのが、餓鬼界の陰惨な雰囲気とはまた打って変わり、血なまぐさい惨劇が繰り広げられる等活地獄。そこは下記のような恐ろしい場所だと説明されていました。
無益な殺生した者が、落ち行き先は此の地獄
地獄の番人鬼共が 身を粉々に打ち砕く
亡者同志も飛びかかり 明けても暮れても殺し合ふ
やっと死ねたと喜べば 涼しい風がサーッと吹き
土をたたいて活々と 鬼が叫べば生き返り
又果てしなく殺し合う 悲鳴こだます等活地獄
展示物説明板より抜粋
非常な表情を浮かべた何人もの鬼が罪人を棍棒で打ち砕き、また罪人同士で争い殺し合うという凄惨なスプラッター。そして死ねども死ねどもまた生き返るという目を背けたくなるような苦しみ。ああ、地獄とはかくも恐ろしきものなりか…!
見どころ6:等活地獄
叫喚、大叫喚地獄
等活地獄を過ぎても凄惨な光景はまだまだ続きます。お次は盗みや殺生をした者、酒におぼれた者、人をだました者がいくとされる叫喚、大叫喚地獄。それは下記のような説明がされています。
盗みと殺生をした者は 黒縄地獄に落とされる
刑期は地獄の四千年 等活地獄の約八倍
焼けたワイヤーで墨打たれ、サイの目型にきざまれる
或は石を背負わされ 焼けたロープの綱渡り
落ちれば煮え立つ窯の中
展示物説明板より抜粋
酒におぼれた者 煮えた銅汁を飲まされる
人をだました者 舌をぬかれ口をぬわれる
地獄絵図にあるように、大量の罪人が巨大な鬼により煮えたぎる窯の中へ放り込まれているという何とも痛ましい光景。熱湯に浸り薄れゆく意識の中で、罪人はいったい何を思うことになるのでしょうか…
またそのすぐ近くには、逆さづりにされている者や鬼に切り刻まれる者、ワイヤーでつながれる者、針の山に乗せられるものなど様々な処罰が行われています。何人もの罪人が泣き悔いているようですが、重ね重ね言うように後悔先に立たずなのです…
見どころ7:叫喚、大叫喚地獄
阿鼻(無間)地獄
最後の地獄は阿鼻(無間)地獄。
燃え盛る炎を背景に立つ何人もの鬼。信じがたく惨いのは鬼の足元の茶色・オレンジ色の球状物体。これ、鬼が罪人を潰して作った人間団子ということです。何ともグロテスク、恐ろしい所業で身の毛もよだちます。
現代・現世では非人道的なこのような処罰が地獄ではあり得てしまうようです…
死んだあと、こんな目には絶対に遭いたくないわ…
見どころ8:阿鼻(無間)地獄
極楽浄土
ここまであの世の様々な惨劇を見てきましたが、みなさんご存じの通りあの世は苦しみに満ちた地獄ばかりではありません。現世で正しい行いをしたものは、極楽浄土で救済を得ることができるのです。
地獄から極楽浄土への入口には、女性のような頭髪や乳房をもってにんまりとした笑顔を浮かべた赤鬼。
赤鬼が手にする説明板や幟の言葉は、「あなたは今後地獄に縁がありません。お名残り惜しいけどさようなら」。死後に備えるためだと想定していたここまでの疑似体験はいったいなんだったのか…
地獄の絶望的な雰囲気とは打って変わり、極楽浄土は救いに満ちた神々しい世界となっておりました。死後、このような世界へ行くためにも、常日頃自らの行いを正しくするよう心掛けたいものです。
展示前には「温度ハワイと同じ 寿命永遠 家賃、敷金礼金ナシ 衣類、食事全部タダ 快楽無退の世界」の説明。現世では決して実現できないような最高の住環境となっているようです笑
それにしても延々と続いていた地獄の展示に比べて、極楽浄土のそれはほんの一瞬。あの世の比率としては地獄が圧倒的に大きいということでしょうか(^^;
見どころ9:極楽浄土
秘宝展
伊豆極楽園には、これまで見てきたあの世の苦しみとは対極にあるような、エクスタシーに満ちた大人の展示物が見られる秘宝展もあります。
場所は建物右脇の階段を上がったところ。残念ながら撮影は禁止されています。興味がある方はあの世の展示物と併せて忘れずに行きましょう。
見どころ10:秘宝展
まとめ
今回紹介した伊豆極楽園は、死んだ後の世界を疑似体験するという非日常的な刺激を得ることができ、施設の管理などもきちんとされていて、かなりレベルの高い珍スポットであると思われます。
グロテスク・ショッキングなものが苦手な方なら見学するのはキツいところがあるかもしれませんが、そのようなものに耐性がある方、またはそのようなものが好きな方なら、一般的な観光客の方でも十分に楽しめる観光施設だと思います。
あの世における罪人への恐ろしい処罰を見ることで、常日頃の自分の行いを正す良い機会になるかもしれませんね笑
あの世のテーマパークから感じるロマン、気になる方はぜひ伊豆半島にある伊豆極楽園へ!
- 伊豆極楽園は、死んだ後の世界を疑似体験するという非日常的な刺激を得ることができ、施設の管理などもきちんとされていて、かなりレベルの高い珍スポット
- グロテスク耐性がある方ならどんな方でも楽しめるはず。
訪問日:2020年11月23日
詳細情報
- 住所 :静岡県伊豆市下船原 370-1
- アクセス:伊豆縦貫自動車道 月ヶ瀬ICより西へ約800m
- 営業時間:10:00~16:00
- 定休日 :木曜日
- 料金 :公式サイトを参照
- 駐車場 :有
- 問合先 :0558-87-0253
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