珍スポット界の巨匠、浅野祥雲。
その魅力に取りつかれた人は、関ケ原ウォーランドや桃太郎神社などのメジャーなものからマニアックなものにまで目が移り、すべてをコンプリートしたい欲求に駆られる人もいると思います。
筆者もそのような酔狂者の一人。
いろいろな浅野祥雲の作品を調べるうちに、愛知県の南知多に浅野祥雲初期作の真面目な作品があることを掴みます。
また、そこには浅野祥雲像とは別に、大量のたぬきのコレクションがあるということがわかってきました。
今回は、そのような浅野祥雲像や大量のたぬきコレクションがある中之院・たぬき寺について紹介します。
境内にたたずむ大量のたぬきコレクション
今回はオートバイで、名古屋市内から南知多道路を通り、目的地に向かいます。
古布ICで降り、邪魔にならない場所にオートバイを停車して、今回のスポットにつきました。
問題のお寺の外観は、山門からして一見普通のようにも見えます。
しかし、写真右脇を見てください。何かがこちらをじっと見ているようです。
ちょっと近づいてみましょう。すると、、
∑(๑ºдº๑)!!
ありました!噂に聞いた、たぬきの像です。
緑色のマントと、大きな耳飾りをしており、じっとこちらを見ています。
そして、大きなたぬきの向こうには、また小さなたぬきの像。
山門の近くには、「たぬき寺→」という案内がありました。
矢印に従い進むと、そこにはたぬき寺にふさわしいほど大量のたぬきが、様々なバリエーションで待っていました。
まずは、比較的大きなたぬきコレクションをご覧ください。
続いては、小さなたぬきコレクションになります。
こちらには顔面が割れたたぬきの像。
怪しげに目を光らして草葉の陰からこちらを見つめるたぬき像。
そのおなかの穴には何を入れればよいのでしょうか、、?
さりげなくお地蔵さまの中に混ざるたぬきの像。
カエルと対話するたぬき!?
カニ!?
お寺と思われる建物には「天台宗中之坊」という表札があり、きちんとした寺院ではあるようです。
しかし、いったいこの中之院というお寺はこんなにもたくさんのたぬきコレクションを有しているのか!?
地元の人から、この大量たぬきのために、別名たぬき寺と呼ばれているということは事前に情報をつかんでいたものの、お寺には由来等を説明する案内板はなかったため、たぬきとどういう関係にあるかまではわかりませんでした。
しかしよくもここまで集めたものだという、すごい量かつバリエーションのたぬきでした。
最後に、お寺の玄関先下にたたずむたぬきコレクション。
真面目な浅野祥雲像
大量のたぬきコレクションは面白おかしくある一方、浅野祥雲の初期作とされるコンクリート像は、関ケ原ウォーランドや桃太郎神社に見られるようなシュールなものとは違い、非常に真面目な印象を受けました。
なぜこのように真面目な印象を受けるのか。
それはこちらのコンクリート像が、戦争で戦死された方々の写真をもとに作成された軍人像だからです。
こちらは近くに由来を説明する案内板がありました。
昭和12年の上海上陸作戦の際に戦死した名古屋師団の方々の写真をもとにして遺族の方が造らせたものとされています。
事前調査によると、こちらを実際に造ったのが浅野祥雲ということになります。
戦後は壊されそうになるものの、お寺の僧の努力もありその難を避けることができ、名古屋市千種区にあったものをこちらに移したそうです。
浅野祥雲、シュールなコンクリート像だけでなく、このような真面目なものも制作していたのですね。
たぬきと違い、こちらの像は戦争の慰霊関係ということで、大変厳粛な気持ちになりました。
大量のたぬきコレクションや初期の浅野祥雲像で感じるロマン、興味がある方はぜひ中之院・たぬき寺へ!
訪問日:2022年1月10日
詳細情報
- 住所 :愛知県知多郡南知多町山海土間53
- アクセス:南知多道路古布ICから2.5km 4分
- 料金 :無料
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