シュールなコンクリート像を作り続けて、多くの作品を東海地方に残した浅野祥雲。
五色園、桃太郎神社、関ヶ原ウォーランドの3大聖地はもちろん、その他にも様々な場所でその作品を見ることができます。
その作品を訪ねてまわることは、さながら世界に散らばったドラゴンボールを探すロマンのようなものがあるかもしれません。
今回はその中でも、自力で見つけることが大変困難で、まるで隠されたような場所にある岐阜県恵那市の聖公園について紹介します。
岐阜県恵那市って、美味しい栗きんとんで有名なところですよね。
そう、そんな恵那市に浅野祥雲の作品があって、今回はそれを紹介するらしいよ。
これまた場所がわかりにくい
今回紹介する珍スポットは、冒頭で述べたように岐阜県恵那市にあります。
ただし、恵那市街から南西に約20kmも離れた山間部にあり、最寄り駅の明知鉄道 野志駅からも7kmほど離れていてアクセスはよくありません。
筆者はこの日、浜松の自宅から国道257号をずっと北上し、岩村という城跡がある街で西へ曲がり目的地を目指します。
上記の写真が目的地入り口、邪魔にならないようにオートバイを道脇に停車します。
これまた案内などなく大変わかりにくい。この写真のすぐ横に「幼園児飛び出しあり 最徐行」という注意と園児の絵が描かれた看板があります。
カーナビである程度の場所まで近づいたあと、上記2枚の写真を手がかりに入り口を探すといいかもしれません。
入り口から坂を上がっていくと、石垣の上にたつ家がありますが、この横を通りさらにまっすぐと進んでいきます。
すると、落ち葉が深く積もった階段があります。この先が浅野祥雲作品が見られる聖公園になります。
岐阜県恵那市の聖公園は大変わかりにくい場所にあるため、事前に調べてから行きましょう!
すごくわかりにくそうな場所だけど、写真をたよりにすれば何とか見つかりそうだね。
子護弘法大師と獅子
それでは待ちに待った浅野祥雲作品とご対面です。
まずは階段をあがってすぐのところにある小屋を見ていきます。
∑(๑ºдº๑)!!
小屋上方の高いところに建つ仏僧、および火鉢を支える3匹の獅子が、かの浅野祥雲作品になります。
仏僧は五色園の親鸞聖人にどことなく似ていなくもありません。
しかし、小屋に掲げられた案内を見る限り、こちらは親鸞聖人ではなく子護弘法大師。
その名よろしく、両腕に抱えているのは幼い赤子になります。
赤子を抱える仏僧を見るのは初めてで、こんな像もあるのかと新鮮な驚きです。
そして、小屋の下にあるのは火鉢を支える3匹の獅子のコンクリート像。
わかりにくいですが、この写真の向こうにもう一匹火鉢を支える獅子がいるのです。
まるで、むぎゅっとしそうな姿勢で火鉢を抱える獅子は大変可愛らしいですね。
一生懸命火鉢を支える獅子が愛くるしい♥
カラフルな不動明王
子護弘法大師の小屋を通り過ぎていくと、今度は厄除け不動明王の小屋がありました。
不動明王と言えば、浅野祥雲がたくさんの作品を残したお得意のモチーフになります。
残念ながら、正面から撮影することは困難であったため、横からの撮影となりますが、それでも炎を後ろにひかえた厳かな不動明王の迫力が十二分に伝わってくるようです。
そして、こんなわかりにくい場所にずっと立っているとは思えないほどカラフルな彩色がほどこされていますが、誰かが最近に塗ったのでしょうか。
その下には2人の童子が控えていました。不動明王の迫力とは対照的に、こちらは少し幼げな印象を受けます。
さらに下には、なんと賽銭箱を背負った亀までいました、先ほどの獅子とはまた異なる可愛さを醸し出しています。
不動明王と関係した珍スポットといえば、たしか秩父のほうにもあったなあ。
勇ましくたたずむ猿田彦
さらに奥の方に進んでいくと、そこには勇ましい姿でたたずむ猿田彦大神の像。
猿田彦大神も浅野祥雲が好んで使用したモチーフで、他には愛知県の浅野祥雲の旧自宅や岩崎御嶽社などでも見ることができます。
不動明王とは対照的に白を基調とした全身の色合いや、手前にたつ木に結びつけられたしめ縄、バックにしている夕日などが、その勇ましさに拍車をかけているようです。
背後にまわってみますが、その後ろ姿もまた勇ましく、ただならぬ雰囲気が感じとれます。
男は背中で語るというやつでしょうかね。
地元の有力者により建てられた
最後にあるのは、これまでの宗教的なモチーフのコンクリート像とは打って変わって、正装姿をした男性の胸像。
他の像とまったく雰囲気が異なることもあり、前知識がないと「誰っ!?」と思ってしまいますが、こちらはかつての地元の有力者ということで、この公園や浅野祥雲作品を作るように進めたのも、この方だということです。
そして、この有力者のコンクリート像ももちろん浅野祥雲作とのこと。
まとめ
まるで隠されたかのようなわかりにくい場所で感じる浅野祥雲像のロマン。
これだけのために行くのは気が進まなくても、栗きんとんや岩村城などを目的として恵那に立ち寄った際はぜひ聖公園へ!
- 岐阜県恵那市の聖公園はわかりにくい場所にあるため、事前に調べていくこと。
- 三大聖地ほどではないが、浅野祥雲の作品をいくつか見ることができる。
- 栗きんとんや岩村城など、他の恵那市の観光などと併せていくことがおすすめ!
しめしめ、おもしろい情報を手に入れた。今週末に出かける場所はこれで決まりだな。
訪問日:2022年3月27日
詳細情報
- 住所 :岐阜県恵那市山岡町原894
- アクセス:中央自動車道 恵那ICから約21km、27分
関連記事:あわせて行きたい!恵那・中津川の珍スポット
恵那・中津川付近にはこれ以外にも珍スポットが存在するの。
せっかくなので、併せて行ってもいいかもね。
関連文献
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