日本のアニメ・マンガは、筆者がいうまでもなく、今や日本を代表する一大カルチャーと言えるでしょう。それは国内だけでなく、インターネットを通じて広く世界の人々に愛されていることからもわかりますね。
そうしたアニメ・マンガの一つの分野にアキバ系萌えキャラというものがありますが、なんとそのような萌えキャラが日本の伝統的なお寺にまで鎮座しているという珍スポットがあるというのです。
今回はそのような萌えキャラが見られる珍スポット・了法寺について、実際に訪問した際の様子も含めて紹介いたします。
さすがに萌えキャラとお寺は別物でしょう。
ところがどっこい、そのような異色の組み合わせを実現しているお寺があるのよ。しかもそれはかつて一世を風靡したほど有名なところなのよ。
境内の様子
今回紹介する珍スポット・了法寺は、東京都八王子市日吉町にあります。この日は東京郊外の珍スポットツーリングの一環としてこのお寺を訪問しました。
ナビに従ってもなかなか目的地が見つからず辺りを彷徨いましたが、しばらくして大通り沿いにひっそりとある入口を発見しました。お寺には駐車場があるため、オートバイをそこに停車します。
了法寺の正式名称は松栄山(しょうえいざん)・了法寺。開祖は啓運日澄上人、1489年に創建され、1590年に元八王子から現在の八王子日吉町に転寺されたとされています。
お寺の由緒を確認したところで、早速様子を見ていきましょう。まずは入口、立派な石標や塀などがあるれっきとしたお寺のようにですが、何やら左のほうに普通のお寺にはあまり見られないようなものがあるようです。おそるおそる近づいていくと、そこには驚きの光景が目に入り込んできました…!
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お寺の入り口に設置されている自動販売機に堂々と描かれているのは、アキバ系の萌えキャラクター!しかもそこには「ようこそ了法寺」と書かれていて、了法寺との深い関係が見て取れます。お寺と萌え絵という予想だにしない組み合わせに思わず驚いてしまうのも無理ありませんね。
しかしこれはまだまだほんの序の口、境内ではさらに驚愕の光景が繰り広げられているのです。参詣道脇にはまた何やら怪しげなものを見て取ることができますね。順を追って見ていくことにしましょう。
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なんと参詣道脇にたつ案内板にも、萌えキャラクターがでかでかと描かれているのです!しかもその萌えキャラたちが舞台としているのは、今筆者が参拝している了法寺。どうやらこの萌えキャラたちは了法寺のマスコットキャラクター的な存在のようです。
「ようこそ了法寺へ」、そしてその下には「カモ~ン レッツお経~!」とお寺の堅いイメージを覆すような文言が巻物に書かれています…!
「こちらが供養塔で~す」というキャラが乗っているのはなんと墓石の上。現実でこのようなことをしたらバチあたりであることこの上ありませんが、このアニメ絵の中だとそれもほのぼのとしていて許されるようです…
デフォルメされたキャラクターがそれぞれお寺に関することを話していますね。吹き出しに記載されているQRコードからは、セリフと関連したWebページが見られるかと思いましだが、残念ながら筆者のスマホではページが見つかりませんと表示されました…
驚くべきは看板だけではありません。看板のすぐ後ろに停車されているバンもこれまたすごいことになっております。
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バンの表面に堂々と描かれているのももちろん今まで見てきたアキバ系萌えキャラ!まさかお寺の境内でその名前が記載された痛車を見ることになるなど思いも寄りませんでした。
反対側にももちろん、でかでかと萌え絵が描かれています。このような車が一般道を走っていたらシュールであることこの上ありませんね!
境内を散策していると、次に目に入ってきたのはお寺にはつきものの絵馬。しかし普通のお寺とは異なり、ここでも目に入ってきたのは、可愛らしい萌え絵なのです。
本堂近くで目に入ってきたのは、新護弁財天御前立とされる磨崖仏。今度こそ普通のお寺でも見られるような仏像なのでしょうか?
しかし、ここでも登場してくるのはこれまで見てきたお寺の萌えキャラ。萌えキャラがこの仏像について説明してくれています。境内ではこのような萌えキャラによる説明がいくつか見られました。
ちなみに新護弁財天御前立の前には、非常にたくさんの蛇の置物が鎮座しておりました。これは萌えキャラとは別の方向性で珍スポット的な景観を呈していますね。
そして最後に見ていくのが、お寺の主役ともいうべき本堂。
本堂はなんとも立派な風格を呈しておりますね。こちらの本堂には萌えキャラの姿は見えないようですが、実は正面右のほうにこれまた意表を突くような姿で鎮座しています。
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本堂でも萌えキャラを見ることができました!しかもスロットゲームに描かれる形で鎮座しているのです。ここはゲーセンかっとツッコみたくなりますね笑
スロットゲームの横にあるのは萌えキャラの缶バッチがでるガシャポン。お寺の本堂横にこのようなものが置かれている光景はシュールすぎて、信じがたいことこの上ありません。
- 了法寺は、東京都八王子市日吉町に位置している。
- 案内板や車、自動販売機、絵馬、ガシャポンなど、境内の至る所にアキバ系萌えキャラが描かれている。
まさかお寺に萌えキャラがいるなんて、異色の組み合わせでびっくりだなあ。
萌えキャラの由緒
お寺の様子を見たところで、なぜこのような萌えキャラが境内に存在しているところか、その経緯を確認しておきましょう。
このお寺の萌えキャラの由緒は、2009年にまでさかのぼります。当時お寺について多くの人に親しみをもってもらうために、お寺の入り口にアニメ風の案内板を立てるという話が持ち上がります。
そこで、住職は知人から歌手・声優・イラストレーターなど多彩な才能をもつとろ美氏を紹介され、とろ美氏のアキバ系イラストにより案内板の制作をする提案を受けました。
住職は、お寺に似つかわしくないと考え難色を示したものの、家族や檀家など周りからの反対が全くなかったため、弁財天をモチーフにした「とろ弁天」など、とろ美氏による萌えキャラが案内板を初めとして境内の至る所に描かれることになりました。
これはテレビジョンなどメディアに「萌えるお寺」として紹介されることで参拝者が増加することにつながり、一日に何百人も訪れることがあったということです。また、この動きは境内だけにとどまらず、了法寺の電波系テーマソングやLINEスタンプの販売、メイドカフェを開催するまでにいたったということです。
下記動画がとろ美氏が歌う了法寺の電波系テーマソング「寺ズッキュン!愛の了法寺!」。筆者はこの曲を聴いたとき、まさかこんなポップな活動をしているお寺があるのかと衝撃を受けました。お寺に対する常識を覆されること間違いなしですので、皆様もぜひご覧ください。
- お寺について多くの人に親しみをもってもらうことを目的として、2009年に声優・イラストレーターのとろ美氏を起用して境内に萌えキャラが描かれることになった。
- 電波系テーマソングやLINEスタンプの販売、メイドカフェを開催するなど、その活動は境内を超えて行われている。
- テレビなどにも取り上げられるなどして「萌え寺」として有名である
まさかお寺に親しみを持ってもらう活動がここまで発展するとはね。
まとめ
今回紹介した珍スポット・了法寺、いかがでしたか?
日本の伝統的なお寺と現代サブカルチャーのアキバ系萌えキャラが共存しているのは、お寺に対する常識を覆すようなシュールな光景であり、見る者を驚きへと誘う珍スポットということができるでしょう。お寺に対して親しみを持ってもらうという目的も見事に達成していると言えるのではないでしょうか?
交通のアクセスも比較的よいところにあるのもうれしいところ。きちんとしたお参りで行くもよし、萌えキャラを見る目的で行くもよし、「とろ弁天」は縁結びの御利益があるそうなのでそれを目的として行くもよしですね!
アキバ系萌えキャラが鎮座するお寺のロマン、興味を持った方はぜひ了法寺を参拝してみましょう!
- 了法寺は、東京都八王子市日吉町に位置している。
- 案内板や車、自動販売機、絵馬、ガシャポンなど、境内の至る所にアキバ系萌えキャラが描かれている。
- お寺について多くの人に親しみをもってもらうことを目的として、2009年に声優・イラストレーターのとろ美氏を起用して境内に萌えキャラが描かれることになった。
- 萌え寺として広く知られるところとなり、電波系テーマソングやLINEスタンプの販売、メイドカフェを開催するなど、その活動は境内を超えて行われている。
訪問日:2023年12月10日
詳細情報
- 住所 :東京都八王子市日吉町2-1
- アクセス:JR中央線 西八王子駅より徒歩で約7分
- 拝観時間:9:00-17:00
- 休日 :無休
- 拝観料 :無料
- 駐車場 :有
- 公式HP :http://ryohoji.jp/top.html/
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