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岩谷観音堂やぐら群、薄暗い洞窟の中に浮かび上がるものとは?(千葉県富津市)

過去の人々が作り上げたものが、意図せずして現在では珍スポットとしても扱われているという例は多々あるそうです。

それは珍スポット自体としてはもちろんのこと、歴史的文化物とされるはずのものが珍スポットとしても扱われる事態が”珍”しくおもしろいものであるというメタ視点的な見方もでき、我々に二重の味わいを与えてくれることにもなります。

今回紹介するのは、そのような珍スポットのうちの一つである岩谷観音堂やぐら群、果たしてそこではどのようなものを目にすることになるのでしょうか? 訪問時の光景をもとにお話しします。

歴史的文化物を珍スポットとして扱うなんて、ばちあたりではありませんか?

それは歴史的文化物 > 珍スポットという歪んだものの見方に立った意見ね。概念の優劣なんて所詮人間が生み出した妄想に過ぎないという真理にたどりつけば、物事をもっと素直に楽しむことができるというのに。

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目次

岩谷観音堂やぐら群とは?

今回紹介する珍スポット・岩谷観音堂やぐら群は、千葉県富津市数馬に存在しています。この日は同じく富津市の珍スポットである圓鏡寺を拝観したあとに目的地を目指します。

ナビの案内に従い目的地付近に着くと、岩谷観音堂と書かれた大きな看板がありました。その隣には車を複数台停められるほどの駐車スペースがあったため、そこにオートバイを停車します。

自分以外には誰もいないようで、一般的な観光地とは異なり非常にひっそりとした印象を受けます。

駐車場の端には岩谷観音堂のご由緒板がありました。岩谷観音堂は大悲山岩谷堂清厳寺とも呼ばれ、本尊は十一面観世菩薩ということ。

本堂付近には古墳時代に造られたと考えられる複数の横穴墓があり、洞壁には中世から江戸時代にかけて彫られたと思われるたくさんの磨崖仏が存在していて、一説には奈良時代の高僧行基が一夜で作り上げた作品とも伝えられています。

珍スポットではありますが、非常に古くからの歴史ある場所のようですね。感慨深い気持ちに耽りながら、お目当てのものに向けて歩いてきます。

CHECK
  • 岩谷観音堂は千葉県富津市数馬に存在しており、大悲山岩谷堂清厳寺とも呼ばれる。
  • 古墳時代に造られたと考えられる複数の横穴墓があり、洞壁には中世から江戸時代にかけて彫られたと思われるたくさんの磨崖仏が存在している。
  • 一説によると、磨崖仏は奈良時代の高僧行基が一夜で作り上げた作品とも伝えられる。

珍スポットと聞いてまた変な場所なんだろうなと思ってたけど、けっこうちゃんとした歴史があるんですね。

岩谷観音堂の概観

階段を進んでいくと、脇には早速お地蔵さんやお墓ののような石碑を見ることができ、ここが仏教的施設であることが再確認できます。

そして、さらに少し進んだところであたりを見渡すと、そこには驚愕の光景が訪問者を待ち構えているのでした…!

∑(๑ºдº๑)!!

そこには岩壁に大きく彫られた複数の空洞があったのです!何とも不思議な景観で見ている者を非日常的感覚に誘うところがあり、まさしく珍スポットであるということができるでしょう。

古墳時代に造られたと考えられる墓穴で、同じような景観を呈している埼玉県の珍スポット・吉見百穴を彷彿とさせるものがありました。

下段の2つの空洞は薄暗いですが、洞窟の中にはお地蔵様が鎮座しているのを見ることができます。

上段については横の階段から登って中の様子を見ることができますが、そこにはまたしても驚愕の光景が繰り広げられているのです…!

∑(๑ºдº๑)!!

上段の空洞は大変広々としていて、壁面には噂に聞いた通りのたくさんの磨崖仏が彫られているのでした…!

広々とした洞窟の中には何故か机と椅子も置かれております。ここで休憩もできるよということなのでしょうか?このような静寂に満ちた霊的な洞窟の中でちょっと休憩という真似はさすがの筆者でもはばかられます。

磨崖仏をよく見ると、一つ一つに番号がふられていたり、お賽銭が置かれたりしておりました。

机が置かれた空洞内を一通り見た後で階段を下りて散策を進めると、今度はさらに奥のほうが暗くて見えない洞窟がありました。その手間には石碑や賽銭箱を見て取ることができます。

石碑に記載されたご由緒によると、これらの洞窟には第〇窟と番号が振られて識別されているようです。ただこの石碑を読んだだけでは、どの洞窟が第何窟に相当するかをすべて判別するのが筆者にとっては難しかった…

すべての洞窟を一巡すると、全国の霊場を巡礼したのと同等の御利益があるということです。

これから入ろうとしている奥の方が暗くて見えない洞窟は第二窟。説明によると、コ字型の回廊窟となっているそうです。

洞窟の壁面にはこれまた非常にたくさんの磨崖仏が彫られていますね。薄暗い洞窟に磨崖仏という光景は、かつて訪問した愛知県の珍スポット・ガン封じの無量寺を思い起こされられました。

コ字型の洞窟ということで、進んで突き当りを左に曲がると、そこは光が一筋も射さないほど真っ暗な回廊となっておりました。途中どのようになっているかわからないため進むのが躊躇われますが、ここが勝負ところということで少しずつ歩いていきます。

懐中電灯で壁面を照らすと、そこにももちろんたくさんの磨崖仏が鎮座しておられます。ここは異国かと錯覚を起こしてしまうぐらい、見方によってはエキゾチックな光景ですね。

真っ暗な回廊を進んで左に曲がると、そこには光に満ちた現実世界が待っていました…!石窟を堪能しながら、焦らずゆっくりと残りの洞窟を進んでいきます。外に出ると、なんだか新しい自分として生まれ変わったかのようにも思えました!

出口のところには仏像が鎮座していました。下の方には日光の三猿・見ざる聞かざる言わざるに見えなくもないものが彫られていて、ちょっと奇異な印象を受けます。

またすぐ近くには立派な石段があり上へと登って行けるようです。まるでRPGゲームで洞窟ダンジョンを探検しているかのようですね。魔物が出てこないことを祈るばかりであります。

石段を上がった先も空洞になっていて、そこにももちろん磨崖仏。こちらは風化のためか、若干輪郭が薄くなってきてしまっている印象も受けます。

石段を下りて洞窟を離れてみてみると、複数の空洞が生み出す景観がこれまたGood!珍スポットファンもそうでない方も一見の価値ありですね!

これまで見てきた洞窟の前には、簡素な木造の本堂が立っています。この本堂の奥には第一窟に相当する洞窟があるそうで、開帳する日に見ることができるということです。

一通り散策をし終わったあと、旅の安全を祈って本堂にお参りしていくことにしました。チャリーン。

CHECK
  • 古墳時代に造られたと考えられる複数の横穴墓には後世に彫られた数多くの磨崖仏が存在しており、一種エキゾチックな印象を受ける。
  • すべての洞窟を一巡すると、全国の霊場を巡礼したのと同等の御利益があるとされる。

たしかに珍スポット的要素をもつところだけど、静寂に満ちた洞窟に入っていくのはちょっと怖い印象もあるわね。

まとめ

今回紹介した岩谷観音堂やぐら群は、古墳時代に造られたと考えられる横穴墓やその中に彫られた数多くの磨崖仏が不思議な光景を生み出しており、立派な珍スポット的風格を呈しているといえるでしょう。

また静寂に満ちた雰囲気のもとにこれらの要素を見ることで、過去の人々の営みに思いを馳せるノスタルジーに浸ることにもなりそうですね。

富津市には東京湾観音や圓鏡寺など他にも珍スポットがあるため、それらと併せて行くと、きっとよりよい珍スポット観光となることでしょう。

古墳時代の横穴墓やそこに彫られた磨崖仏から感じるロマン、興味を持った方はぜひ岩谷観音堂やぐら群に足を運んでみましょう!

まとめ
  • 岩谷観音堂は千葉県富津市数馬に存在しており、大悲山岩谷堂清厳寺とも呼ばれる。
  • 古墳時代に造られたと考えられる複数の横穴墓には後世に彫られた数多くの磨崖仏が存在しており、見方にはよってはエキゾチックな印象を受ける。

訪問日:2023年7月15日

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