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『コンクリート魂 浅野祥雲大全』レビュー‐珍スポット界の巨匠・浅野祥雲の研究書

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珍スポットはその地を訪問することはもちろん、その文献を読むことによっても楽しむことができるジャンル。

文献を読んでまだ行ったことのない珍スポットに思いを馳せるのはもちろん、今まで行ってきた場所について読んで思い出に浸ったり、別の方の視点により新たな発見するのもよいでしょう。

本記事ではそのような珍スポット文献として有名なものの1つコンクリート魂 浅野祥雲大全について紹介します。

目次

『コンクリート魂』とは?

『コンクリート魂 浅野祥雲大全』(以下、コンクリート魂)は珍スポット界の巨匠・浅野祥雲(1891-1978)について解説した本(2014年 青月社刊)です。

浅野祥雲は東海地方にたくさんのシュールなコンクリート像を作りつづけたことで珍スポットファンの間では有名ですが、 この本では彼やその作品、作品が展示されている珍スポットについて詳細な点まで紹介されております。

著者は珍スポットや名古屋ネタにも深く精通しているフリーライターの大竹敏之氏。珍スポット関連の中でも浅野祥雲については「日本唯一の浅野祥雲研究家」と冗談で名乗ってしまうほど精通している方です。

大竹氏は『東海珍名所九十九ヶ所巡り』(2009年 中部経済新聞社刊)などの本でも珍スポットファンの間では有名ですが、『コンクリート魂』は珍スポットの中でも浅野祥雲について焦点をおいて、大竹氏のこれまでの研究成果を解説しております。

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『コンクリート魂』が優れている点

コンクリート魂は浅野祥雲を扱った書籍の中でもいろいろな点で優れたものですが、ここではその中でも優れているところを3点に絞って説明します。

浅野祥雲のほぼすべて作品・スポットを体系的に網羅している

『コンクリート魂』が優れている1点目としては、なんと言っても現状、浅野祥雲と判明している作品をほぼすべて網羅して紹介している点です。

五色園、関ヶ原ウォーランド、桃太郎神社など有名な浅野祥雲三大聖地はもちろん、岐阜県恵那市の聖公園、中津川市の坂本神社八幡宮など、山奥にあって浅野祥雲ファンでも知らない人が多いであろう、かなりマニアックな場所まで掲載されております。

浅野祥雲ファンの筆者でも知らない場所のほうが多く、聖公園や坂本神社八幡宮はこの本で知って実際に見に行きました。

豊富なカラー写真

『コンクリート魂』が優れている2点目としては、網羅された浅野祥雲の作品について、すべてたくさんのカラー写真で紹介されているところです。

珍スポット関連の類書の中にはせっかく様々な場所が紹介されていても、写真数が少なかったり、写真があっても白黒でその場所に対するイメージがわきにくく惜しいものがいくつもあります。

しかし、『コンクリート魂』はすべての作品に対して豊富な写真が使われているため、その作品や珍スポットがどのような場所なのか、文章を読まなくてもビジュアル的に理解しやすいものとなっております。

充実した解説・注釈

『コンクリート魂』が優れている3点目としては、網羅された浅野祥雲の作品について、カラー写真とともに充実した解説・注釈が施されているところです。

浅野祥雲ファンでも、その作品はどのようなものがモチーフとなっているのか、また作品が展示されている珍スポットはどのような経緯で生まれたのかなど、わからない人も多いのではないでしょうか。(筆者もそのようなファンの一人でした。)

しかしこの『コンクリート魂』を読めば、そのような多くの疑問が解決されます。

例えば筆者は、彼の三大聖地の1つである五色園について、インターネットで調べた断片的な情報を知っていても、五色園の歴史や公園に散在している作品1体1体が表していることなどわからないことが多くありましたが、『コンクリート魂』を読むことでそのような疑問は氷塊しました。

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『コンクリート魂』はこんな人におすすめ!

このような優れた点をもつ『コンクリート魂』について、筆者は浅野祥雲が好きな方なら誰でも幅広くおすすめすることができると考えています。

ファンレベルメリット
ビギナー浅野祥雲の作品やそれらが展示されている珍スポットを最初から広く知ることができる。
中堅今まで見に行った場所・作品を振り返るとともに、行ったことがない場所を知ることができる。
ベテラン今まで見に行った場所・作品について、詳細な点にまで精通して浅野祥雲のスペシャリストになれれる。

また珍スポットに興味がなく今後も関心がない方にはおすすめできないかもしれませんが、浅野祥雲を知らなくても珍スポットに少しでも興味がある方なら浅野祥雲の入門者として読むことができると思います。

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まとめ

『コンクリート魂』は珍スポット界でも超有名な浅野祥雲について広く深く知ることができる貴重な一冊。祥雲をここまで解説しているのは、後にも先にもこの本だけではないでしょうか。

他の珍スポットの書籍と同様、一般的な書店ではまず目にすることができませんが、幸運なことに絶版の憂き目は免れているため、ネットショッピングで簡単に入手することができます。

(ただし、浅野祥雲作品が展示されている熱海城では販売されているのを見ました笑 トップ写真はその時のもの)

浅野祥雲の解説書から感じるロマン、気になる方はぜひ『コンクリート魂』を手に取ってみてください!

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