日本経済全体が好景気に沸き、国民の多くが浮かれていた1980年代後半のバブル経済期。
その後、実際の経済状況から乖離したバブルは崩壊し、急速に景気が後退して日本経済は失われた20年という長期にわたる不況に突入することになります。
このようにして日本全体にたくさんの負債をもたらしたバブル経済ですが、実は同時に各地にたくさんの珍スポットを生み出した時期でもありました。
今回はそのようなバブル経済期に生み出された珍スポットの1つ、天空聖陵 加賀の郷について紹介します。
バブル経済なんてアホな国民が浮かれまくってもたらした最悪の時代。
良いイメージなんて1つもありません。
あなたは本当に物事を一面的にしかとらえることができないのね。
どんなものにも悪い面もあれば良い面もあるものなのよ。
バブル経済は負債と同時に珍スポットという正の遺産も生み出した。
このように多面的な見方ができないあなたは、ブレイクスルーとなれず終わっていくのね…
いざ、天空聖陵 加賀の郷へ
天空聖陵 加賀の郷へ到着
今回初回する珍スポット・天空聖陵 加賀の郷は、石川県加賀市にあります。
浜松の自宅から東名高速道路、北陸自動車道を経由して福井県・石川県へ。兼六園など一般的な観光地やハニベ岩窟院、越前大仏などを堪能した3日間にわたるツーリングの最終日に当施設へと向かいます。
目的地へ到着すると、そこには目を疑うような光景が筆者を待っていました。
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大仏!?なんの変哲もなさそうに見える住宅地の中に、なんと赤子を抱えた黄金色の巨大な大仏が堂々たる姿で屹立しているのです。これは茨城県の牛久大仏を彷彿とさせるような巨大さ・存在感です、。
そう、実はこの巨大な大仏が立つ土地に今回紹介する天空聖陵 加賀の郷があるのです。果たしてそこには何が待っているのでしょうか。
天空聖陵 加賀の郷とは?
天空聖陵 加賀の郷が開業したのは、冒頭でも説明したようにバブル経済期の1987年。当時の施設名はユートピア加賀の郷。
当時の関西土地建物の社長、嶋中利男の約280億円の出資により建設された仏教テーマパークであり、遊園地や博物館・美術館、レストラン、ホテルなども併設された複合施設でした。
その後施設への入場者数は伸び悩み、また運営元の関西土地建物は不動産の不良債権などにより破産。別の団体が運営元となるものの施設は次々と閉業していったということです。
運営元とともに加賀寺、密教禅大本山豊星寺など施設名もたびたび変わり、僧侶が強制わいせつ罪で逮捕されたり、施設に係る費用や従業員に対する給与未払いなどが問題となり一時閉鎖されるなど、様々な混乱を経て、2016年から天空聖陵 加賀の郷の名称で運営されているということです。
- 石川県加賀市にある天空聖陵 加賀の郷は、バブル経済期の1987年に関西土地建物の社長の約280億円の出資により設立された仏教テーマパーク。
- 入場者数が伸び悩み関連施設は次々と閉鎖され、運営元・施設名がたびたび変更となり、運営側の度重なる不祥事などによる混乱を経て今にいたる。
施設の変遷からしておもしろそうな珍スポットね。
なんだかワクワクしてきちゃった。
天空聖陵 加賀の郷の見どころ
それでは、天空聖陵 加賀の郷がどのような場所なのか、その見どころを1つ1つ見ていくことにしましょう。
山門・入口
参詣道を進んでいくとまず目にするのが、左右に阿吽の像がたつ立派な山門。階段をあがったところにあるそれは、一般的な寺院のものと比較しても遜色なく、特に珍スポット的な奇抜さはないようです。
山門を入ってさらに進んでいくと施設のゲートにたどり着きます。するとそこには、黄金色の大仏が施設に入る前から既にその姿を現していました。
受付にはテレビを見ている1人の男性、どうやらこの施設の管理者のようです。拝観料の500円を払い、施設案内の紙をもらって境内に突入していきます。
境内の様子
境内に入るといくつかの建物が立っています。上の写真は入り口から入って左側の建物。
上の写真は入口から入って右側の写真。一見普通そうに見えるものもあれば、経年劣化が激しいものもあり、屋根が抜け落ちてしまっているものがちらほら伺えます。
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これは驚愕の光景。一般的な神社や寺院につきものの絵馬をかける絵馬掛所には、なんと一枚も参拝者の絵馬がかかっていないのです。本来の役目を果たすことができない絵馬掛所の姿には寂しさがにじみ出ているような趣があります…
大観音像
そして境内正面を見据えると、そこには境内の外からも見ることができた赤子を抱黄金色の巨大な大仏。この施設の見逃せない見どころの一つです。
加賀大観音とも呼ばれ、全高はなんと73メートル。日本を代表する奈良や鎌倉の大仏をはるかに上回る大きさです。茨城県の牛久大仏は約120メートルであるため大きさという観点ではこれには及びませんが、金色・腕に抱えた赤子・顔にたたえた微笑などの点で加賀大観音は牛久大仏とはまた違ったユニークな特徴を持っています。
大観音像を拝むことができた喜びに浸りながら、様々な角度より像を撮影しました。どの方面から見ても、加賀大観音の奇抜さ・存在感は圧巻のものがあります。
胎内巡り
外からの観音様の姿を堪能した後、今度は観音様の内を見ていくことになります。鎌倉の大仏はもちろん、茨城県の牛久大仏など胎内巡りをできる大仏は日本各地に存在しますが、なんとこの加賀大観音も胎内に入ることができるのです。
観音様の後方にまわると、胎内に入るための入口がありました。期待に胸を高鳴らせながらおそるおそるその入り口へと近づいていきます。
入り口の扉ですが、ガラスがバリバリに割れてしまっていました。きちんとした管理がされていないようです。しかしここまで来てしまってはもう後に引くという選択肢はありません。いざ、扉の向こうにある観音様の胎内へ。
するとまず最初に見えてきたのは百観音札所巡りの説明。「西国三十三か所」「坂東三十三か所」「秩父三十四か所」を合わせて百観音札所といい、それぞれの歴史について説明してありますが、この加賀大観音の胎内には円状に観音様が配置されていて百観音札巡りをすることができるということです。
見学しているのは自分だけ、しんと物音もせず宗教的なオブジェが配置された観音様の胎内は神秘的な雰囲気に包まれているようです。
ここで胎内の金色に彩られた壁や柱には、なにか文様のようなものが描かれていることに気づきます。はて、そこには何が描かれているのでしょう。おそるおそる観察していくことにします。
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なんと黄金職の壁や柱には、観音様が彫られた長方形状のレリーフが隙間なくびっしりと埋め込まれていて、圧巻の光景を呈していました。一枚一枚にはそれぞれ指名が書かれていることから、どうやら奉納されたもののようです。
円状の通路の両側には、金色の百観音札所の観音様が鎮座していました。黄金色の柱とともに胎内をきらびやかなものにしております。
また中心部に通じた通路を進むとそこにも黄金色の観音様。照明が一部切れてしまっているのか、中は薄暗くなっています。
そこに安置されていたのは加賀大観音と同じ姿をした慈母観自在菩薩。この大仏の御本尊様といったところでしょうか。薄暗い部屋の中でも神々しい姿をしておりました。
この日見ることができたのは胎内の一階のみでしたが、以前は2階以降も上ることができたそうです。
非常に大きな観音様は落雷の被害にあうことがあり、電気設備が故障したため、現在は一階のみ見学可能だとか。残念…
しかし2階へと上がる階段への入口を見つけることができませんでしたが、いったいどこにあったのでしょう…
加賀三十三間堂
加賀大観音を外からも内からも堪能した後、次は観音様の後方にある加賀三十三間堂という建物を見学していきます。
こちらの建物が完成したのは新時代幕開けの平成元年。京都の有名な三十三間堂を彷彿とさせるようなネーミングです。
実際には京都のもののように内陣柱数が三十三間ある構造ではないですが、中で安置されている千手観音が生み出す尊厳美と圧倒的量感が京都のものを彷彿させるものであることから、加賀三十三間堂と称しているということ。
堂内の東側には千手観音立像、西側には釈迦八相やシルクロードの模型など見ることができるということです。それぞれ見ていくことにしましょう。
釈迦八相・シルクロードのジオラマ
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まず建物西側に入ると、照明が一部切れ薄暗い空間に、なにやらジオラマのようなものが展開されています。そうこちらに展示されているのは、お釈迦様の誕生から入滅までを八つ分けた釈迦八相と、かつて仏教の伝播・物品の交易ルートとしてユーラシア大陸の東西に延びていたシルクロードのジオラマなのです。
通路とは反対側の壁に展示されているのが釈迦八相。
上の写真は釈迦が誕生する前のエピソードである受胎で、釈迦の母親がヒマラヤの宮殿に横たわっていた時、白い象の姿をした釈迦が母親の胎内に入って宿ったという夢をみたという話です。
上の写真の左側は釈迦の誕生のシーン。右手で天を指し、左手で地を指して「天上天下唯我独尊」と言われたとされる場面。
右側は生老病死というこの世の問題を悟った釈迦が無常を観じて王宮をひそかに抜け出す出奔のシーン
そして出家のシーン。覚悟を決めて自ら髪を切ろうとしています。
次は痛ましいほどにやせ細った釈迦、こちらは苦行というエピソード。
苦行は6年におよびましたが、骨と皮になってしまうほどの苦行では悟りを得られないことに気づいたということです。
そして苦行のやせ細った姿とは対照的に、肉づきがよくなり光背を負いながら堂々たる姿で座っている釈迦。
様々な誘惑や悪しき生き様にも負けず、ブッダガヤの菩提樹の下に座禅して明けの明星をご覧になり、心理に目覚めて悟りを開かれたという悟りの場面です。
そして最後が入涅槃という場面。釈迦は80歳にして病気により息を引き取られ涅槃に入られますが、その時に弟子たちに残した言葉は「これからは私の説いた教えを灯として修行に励みなさい」ということでした。
このように釈迦の重要な8つのエピソードを模型として展示した釈迦八相。娯楽施設でありながら特徴的な模型により視覚的にそれぞれの場面を学ぶことができ、学校の教科書なんかより記憶に残ること間違いなしでしょう!
釈迦八相の前にはシルクロードのジオラマが展示されています。砂漠に点在する宮殿、ラクダなどの動物が精巧に作られていて、こちらも当時のシルクロードの雰囲気を感じ取ることができるのではないでしょうか。
このように展示物は大変よくできたものでしたが、照明が一部切れているためか建物内は薄暗い。大仏胎内でもそうでしたが、管理がきちんと行き届いてないなあと思っていたところ、驚愕のものをいくつか見つけることができました。
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なんと非常口灯が消え、火災報知器は灯がなく壊れていました…!大丈夫なのかここは…
千手観音立像
西側の展示物を一通り見終えたあとは東側へ。こちらも照明の一部が切れていて薄暗いですが、中にはその薄暗さを吹き飛ばすほど驚くべき光景が展開されていました。
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外の説明で、京都の三十三間堂を彷彿とさせるような数の千手観音立像が並んでいるとありましたが、まさかここまで壮観な様になっているとは予想だにしていませんでした。数にして1188体、一体の像高は1.6メートルに及び、25段・94列にわたり安置されているということです。
金色に輝く圧倒的な数の千手観音は、この加賀三十三間堂の中を神々しい雰囲気で包んでいます。まさに京都の三十三間堂と肩を並べるほど壮観な光景を呈していると言えるのではないでしょうか。
たくさんの千手観音像ですが、どれも手抜きされることなく、背中のたくさんの腕まで大変精巧につくられていることがわかります。
そして他のたくさんの千手観音から抜きん出た大きさで三十三間堂の中央に立っているのは、中尊千手観音立像。こちらももちろん金色で像高はなんと8メートル!たくさんの千手観音を率いる長といった感じがしてかなりの存在感ですね。
自分以外だれもいない無音の空間に立ち並んだたくさんの千手観音像。まるで現実世界から遊離して摩訶不思議な世界に入り込んでしまった感があります
たくさん立ち並んだ千手観音の向かい側は鏡になっていて、こちらからも金色に埋め尽くされた壮観な様を見ることができます。
世界一の梵鐘佛堂
次に紹介するのは、加賀観音像の東側にある建物です。
一見、特に変わったところなどなさそうな普通の建物のようにも思えます。しかし、実はこの建物の中には度肝を抜かれるようなとんでもない物品が隠されているのです。
近くにあったのはこんな案内板。でかでかとした文字で「世界一の梵鐘佛堂」と書かれています。どうやらこの建物内には世界一と評せるほどの巨大な梵鐘があるようです。
果たして世界一の梵鐘とはどのような姿形をしているのか。高鳴る期待を胸に建物の中へ入っていきますと、そこにはまた常識を覆すようなものが参拝者の前に立ち現れてくるのでした。
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金色の加賀観音像、金色の千手観音立像群に続いて現れたのは、これまた金色の梵鐘、しかもかなりの大きさです。梵鐘は高さ10m・直径5m・重量350tということで、表の説明では世界一の大きさを誇っているということでした。よくぞこんなものをつくったものです。
一見実用性からかけ離れた代物のようにも思われますが、この巨大な梵鐘を打つための撞木もきちんと用意されています。
巨大な梵鐘の横には、これまた巨大な木製の撞木が吊り下げられています。けっこう高いところにありますが、どのようにして打つのか、また打つとこの世界一の梵鐘はどのような音色を奏でてくれるのか気になるところです。
建物内は照明がほぼ切れてしまっていて薄暗いですが、目を凝らして梵鐘の下に着目すると、なんとそこには何人もの鬼が肩を差し出して梵鐘を担いでいるのでした。350tもの梵鐘を担ぐ鬼の苦労はいかばかりでしょう、こころなしか鬼の表情も辛そうに見えます。
また梵鐘を囲う壁には天女が彫られた何枚ものレリーフが埋め込まれています。この楽器を奏でる美しい天女のレリーフが、この世界一の梵鐘佛堂の神秘感をより高めている印象です。
瑠璃光殿・金色堂
境内の見どころも終わりに近づいてきました。次に見ていくのが入口から入って右側の一番手前の建物、瑠璃光殿・金色堂になります。
入り口横の狛犬からして表情がちょっと変、きっとこちらの建物にも珍妙なものがあることを予見させられます。
説明によると、堂内の吹き抜けには巨大な五重塔が立っているということです。
建物の外観からはそのようなものがあるとは思いもよりませんが、ここまで次々と通俗的常識をひっくり返してきた施設でありますから、これまた仰天するようなものがあるに違いありません。おそるおそる建物の中へ入っていきます。
建物に入ると、まず目には入ってきたのは台座に置かれた巨大な数珠でした。説明によると、一願成就不動大念誦といい、念誦を撫でながら祈願すると願いが叶うというものらしいです。
また近くには観音菩薩像も安置されていました。
休憩スペースもあるようですが、こちらの建物においても自分以外には誰もいないようです。
他の見どころと比較すると、そこまで風変りなものはないようですが、建物の奥へと進んでいくと、そこにはまた現実世界からは隔絶されたワンダーが筆者を待ち構えているのでした。
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暗い…なぜなら照明がほとんどついていないためで、外から取り入れた灯によりかろうじて中の様子が見ることができる状態です。たしかにこれはこれで神秘的ですが、ちょっと怖いようでもあります。
非常口灯は消えたり壊れたりしてしまっており、火災報知器はもうその役目を果たすことはできないようです。管理されていないというか、もはや廃墟になりつつあると言ってもいいかもしれません。
おや、堂内中央にはまた何か金色に光るものが建っているようです。これは何でしょう、その正体を見極めるために見上げてその全貌を掴むことにします。
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中央の吹き抜けを突き抜けて立っているのは外の説明にあったように巨大な金色の五重塔でした。全高はなんと17m。
これは京都の金閣寺も顔負けの建物ではありませんか!
薄暗い空間にあることで、この金色の五重塔はその神秘性をより確固たるものにしています。
五重塔の下には、球状の石が隙間なく敷き詰められていました。
金色の加賀観音像、金色の加賀三十三間堂、金色の梵鐘とともにこの金色の五重塔も天空聖陵 加賀の郷の大きな見どころの一つと言えるでしょう。
本殿
最後に見ていくのはお寺の中心的な建物である本殿。本尊の大日如来を初めとして、十一面観音、千手観音、阿弥陀如来、不道明王の各尊が安置され、毎日の勤行、御祈祷、ご供養、彼岸会などを行う当施設の根本道場ということです。
表札には天空聖陵 加賀の郷と記してありました。
ここまであまりにも奇奇怪怪のものを見てきましたから、本殿はさぞかし度肝を抜くようなものがあるに違いない、正面の階段を登り、本殿の中へ入ります。
すると拍子抜け、一般的なお寺にありそうな内観となっておりました。奇怪千万の数々が展示されている施設で、この本殿だけはいたって普通であることを堅持しているようです。
天空聖陵 加賀の郷の境内における見どころは以上になります。
- 金色の大観音像、金色の胎内巡り、金色の三十三間堂、金色の梵鐘に金色の五重塔と、かつてのバブル経済における繁栄の面影を残すかのように、金色に満ちた見どころがたくさんある。
- 建物内の照明の多くが消え、非常口灯や火災報知器などは壊れてしまっているなど、建物の老朽化が進んでいる。
あまりのすごさに腰を抜かしてしもうたわい
観音温泉ホテルの廃墟
数々の展示物により参拝者を奇想天外な世界へと導いてくれる天空聖陵 加賀の郷。実は境内だけでなく、お寺の外でも大変なことが起こっているのです。
上の写真は、山門を出て階段を降りたところにある、加賀の郷の施設の1つであった観音温泉ホテル。
すでに閉業しているということですが、建物はまだ残っているようです。
しかし何か様子がおかしい、妙な胸騒ぎを覚えて建物に近寄っていきますと、そこには目も当てられない光景が広がっているのでした。
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なんと観音温泉ホテルにはかつて使われていたと思われるものが床に散乱し、見るに堪えない完全な廃墟になっているのでした。あまりの壮絶さに思わず呆然としてしまいます。
廃墟の中には使われなくなった車まで放置されてありました。
進んでいくと、建物のガラスがバリバリに割られている場所もありました。
なんと、ひっくり返ったテーブルやソファーの近くには、観音様の首がもげて投げ出されてありました。なんと罰当たりなことでしょう…
かつては多くの人で賑わっていたホテルですが、今ではその面影を全く感じることができません。
仏教の教えに諸行無常というものがありますが、この観音温泉ホテルの廃墟はそのような諸行無常を体現しているようです。
観音温泉ホテル。もう本来の用途で使用されることはない建物ですが、加賀の郷の境内を堪能した後はここで時の流れ、人間の所業の虚しさというものに思い浸ってみるのもよいかもしれません。
駐車場で少し立ち位置をずらすと、観音温泉ホテルの建物の間から加賀観音像を見ることができました。
いったい観音様はどんな気持ちでこの廃墟と化した場所を見ているのでしょう。
このように状態になってもなお、無償の慈悲を降り注いでくれているのでしょうか…
加賀の郷の付属物の一つであった観音温泉ホテルは廃墟と化してしまっている。
珍スポットで廃墟好きの僕には垂涎ものの施設だな。
まとめ
今回紹介した珍スポット・天空聖陵 加賀の郷は、境内や外の廃墟を含めてたくさんの見どころがあり、日常性から途絶した摩訶不思議を堪能できる大変レベルの高い施設となっております。
金色の大観音像、金色の胎内巡り、金色の三十三間堂、金色の梵鐘に金色の五重塔と、金色に満ちたこの施設は、かつてのバブル経済の面影を残しているようです。
またそのような施設も、現在では建物内の照明の多くが消え、非常口灯や火災報知器などは壊れてしまっており、ホテルは廃墟と化すなど退廃しており、どんな栄華もいつかは滅びるという諸行無常の仏教の教えを体現しているようです。
交通の便はいい方ですが、十分に堪能したい場合はかなりの時間がかかることが予想されるため、余裕を持っていくことをお勧めします。
バブル経済期に生み出された珍スポットから感じるロマン、気になる方はぜひ天空聖陵 加賀の郷へ!
- 石川県加賀市にある天空聖陵 加賀の郷は、バブル経済期の1987年に関西土地建物の社長の約280億円の出資により設立された仏教テーマパーク。
- 入場者数が伸び悩み関連施設は次々と閉鎖され、運営元・施設名がたびたび変更となり、運営側の度重なる不祥事などによる混乱を経て今にいたる。
- 金色の大観音像、金色の胎内巡り、金色の三十三間堂、金色の梵鐘に金色の五重塔と、かつてのバブル経済における繁栄の面影を残すかのように、金色に満ちた見どころがたくさんある。
- 建物内の照明の多くが消え、非常口灯や火災報知器などは壊れてしまっているなど、建物の老朽化が進んでいる。
- 加賀の郷の付属物の一つであった観音温泉ホテルは廃墟と化してしまっている。
訪問日:2022年11月5日
詳細情報
- 住所 :石川県加賀市作見町観音山1-1
- アクセス:北陸本線 加賀温泉駅より1.1km 徒歩15分/北陸自動車道 加賀ICより約9km 15分
- 拝観時間:9:00-16:00
- 料金 :500円
- 駐車場 :無料
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