土木・建築用、墓石や石碑、美術・工芸品などの用途で使用される石材。様々な場面の利用されていることから、普段の我々の生活においても、間近でその存在を感じることができるものと言えるでしょう。
そして、このような材料を産出する石材産業は、例にももれずに珍スポットと関係していると考えられる事例も数多く報告されています。
今回紹介するのは、そのような珍スポットのうちの一つとされる大谷平和観音。実際に訪ねた際の様子をもとに小編にて紹介します。
石材って、本当にいろいろなところで使われてますよね。
そして、石材産業は私たち人間が作り出した文化的事象・珍スポットとも関係してくることが知られているわね。果たして今回はどのような光景を見ることになるのかしら。
採掘場跡の岩壁に彫られた大谷平和観音
今回の珍スポット・大谷平和観音は、栃木県宇都宮市大谷町にあります。この日は、栃木ツーリングの一環として当地に立ち寄りました。
大谷町は特徴的な石が産出する地域として古くから採掘が行われてきた地域。町内にはドラクエのダンジョンかのような地下の採掘場跡を見学できる大谷資料館や、奇岩に囲まれたお寺で日本最古の磨崖仏・大谷観音を拝観できる大谷寺などの観光スポットに恵まれています。
筆者もこれらのスポットを巡った後に、大谷平和観音がある大谷公園へと向かいます。
観音像
大谷公園は採掘場跡を利用した施設であり、大谷寺側から公園に入ると、上記写真のように過去の面影をうかがえる特徴的な岩壁を見ることができます。
垂直な岩壁の間を歩いていくと、右手には本日の主役が少しずつその姿を表してきました。
岩壁を抜けると、そこには岩壁に彫られた巨大な大観音像。この巨大な像こそ、今回珍スポットとして紹介する大谷平和観音なのです!高さはなんと約27m。周囲に立つ観光客の方と比較しても、その巨大さは一目瞭然ですね。
観音様の足元に設置されている説明板によると、戦後まもない昭和23年より、当時の大谷観光協会と地元の人々の熱心な救援のもと、第二次世界大戦による戦没者の霊を弔い、世界平和を祈念するために、大谷石の採掘場であった壁面に大谷平和観音が刻まれたということです。
東京芸術大学教授・飛田朝次郎氏が彫刻を手掛け、その指導をもとに大谷町の大工・上野浪造氏らが制作にあたり、6年の歳月かけて昭和29年に完成して、大谷の顔として現在までそびえ立っているということです。
岩壁に彫られた巨大な観音様の姿を見ただけでも目を洗われる思いですが、さらに驚きの要素としては、観音様の隣に階段が設置されていて、観音様の裏にある展望台まで上がることができるということ。筆者も早速上ってみました。
展望台では、観音様の頼もしいお背中や凛々しいお顔、そして大谷の街並みを眺めることができます。
観音様は、このような遥か高みから我々人間の営みを見守ってくれているのでしょうか。
付近の見どころ
平和観音が大きな見どころの大谷公園ですが、公園内にはその他にも見どころがあります。例えば、市営駐車場から観音様へ向かう途中の道から見える天狗岩。
非常に高い崖の上にある巨大な天狗岩。天狗が投げて乗せたという伝説が残っており、まるで本当に天狗が怪力を使って置いたかのように絶妙なバランスをとっているのが特徴です。
また、観音様の近くにはカエルの姿に似ているとされる親子がえる。
その昔にこのあたりに住み着いた大群の蜂と身をもって戦って、村の人々を守ったことから地守神様として言い伝えられているということです。
この他にも、地元の石材などを販売しているお店がありました。その隣の敷地には、なぜか巨大なヤドカリの彫刻が置かれていて、ちょっとびっくりです。
特徴的な石を産出する地域として採掘が行われてきた大谷町ですが、この公園は大観音像を含め、そのような石材産業という地域の特色を感じ取ることができる場所のようです。
大観音像も、石材産業という地域の特色を表しているのだなあ。
まとめ
今回紹介した珍スポット・大谷平和観音、いかがでしたか!?
特徴的な石を産出してきた大谷町の特色を表している観音像は、その巨大さと採掘場跡に彫られたという特徴により、見ているものの目を洗うような珍スポットとなっているということができるでしょう。
大谷町にはこれ以外にも、大谷資料館や大谷寺など他の観光スポットもあるため、観音様と併せて訪問したいところですね。
採掘場跡地に彫られた巨大な観音像から感じるロマン、興味をもった方はぜひ大谷公園の大谷平和観音に会いに行きましょう!
- 大谷平和観音は、栃木県宇都宮市大谷町の大谷公園内にある。
- 特徴的な石を産出してきた大谷町の採掘場跡地に彫られており、高さは約27メートルもある。
- 第二次世界大戦による戦没者の霊を弔い、世界平和を祈念するために昭和23年から6年の年月をかけて制作された。
訪問日:2024年3月16日
詳細情報
- 住所 :栃木県宇都宮市大谷町1174
- アクセス:東北自動車道 宇都宮ICより約8km 車で15分
- 料金 :無料
- 駐車場 :無料(市営大谷駐車場)
- 公式HP :http://www.ooyaji.jp/
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