火山活動。それは地底からたまりにたまったマグマの大噴火を引きおこし、我々人間に大きな影響を与えるものです。
古代イタリアのヴェスピオ山大噴火は都市ポンペイを消し去り、江戸時代の富士山大噴火は火山灰を関東一円に降り注がせて、農作物に甚大な影響をもたらしました。
そしてそのような火山活動は過去のものではなく、現在進行形で続いているものでもあります。
しかし人間はそのような危険に対処しつつ、火山活動から生まれたものを自分たちの生活に生かし、時には珍スポットまで生み出してしまうことさえあります。
そこで今回は、そんな火山活動による溶岩から製作された、鹿児島県の桜島にある叫びの肖像について紹介します。
この前もニュースになってたけど、桜島って今でも火山活動が活発なんですね。
そう。そして桜島にはそんな地理的特徴を活かした珍スポットがあるのよ。
鹿児島湾に位置する陸続きの桜島
今回紹介する珍スポットは、九州南部・鹿児島県の鹿児島湾に位置する桜島にあります。
この日はオートバイとともに大阪港からフェリーさんふらわあに乗り、鹿児島県の志布志港で降りて桜島に向かいました。
志布志港への到着時はあいにくの雨でしたが、桜島に近づくにつれて雲の間から青空が覗き、だんだんと晴れていきました。なんと運がいいこと!
天候がよくなるのに比例して、桜島の姿もはっきりと見えてきました。
目的の山がだんだんと大きくなってくるワクワク感、富士山を初めとして、ツーリングにはあるあるですね!
桜”島”という名前ですが島だったのは昔の話で、1914年の大正大噴火により対岸の大隅半島と陸続きになったため、車・オートバイでそのまま行くことができます。
途中、道の駅で昼食に鹿児島の海鮮物や黒豚を食べたりしつつ、目的地・桜島に着きました。
島だったのに1914年の噴火で陸続きになってしまったなんて、自然の力ってすごいね!
噴火の危機に常にさらされている?
桜島南岸を走っていると、これまでのツーリングでは見たことがない標識や注意喚起の看板が次々と目に入ってきました。
溶岩道路!?
これまでツーリングで様々な道路を走ってきた筆者ですが、これまた斬新なネーミングの道路に衝撃を受けました。
溶岩でできた道路…?本当に走って大丈夫なのか…?
さらにその下の看板には、これまたおそるべき注意喚起がされていました。
「この附近は桜島爆発の噴石が落下する恐れがあるので、通行に注意して下さい。」
衝撃的な注意喚起にこれまた驚き。ここらへんは未だに火山活動の猛威に晒されており、タイミング悪ければ最悪の場合、爆発に伴う被害に巻き込まれる危険があるようです。
そんなまさか大丈夫だろうと思いつつ、一方ではもし今爆発したらと最悪の状況を想定してしまう…
死と隣合わせの、なんとスリルに満ちたツーリングなんでしょう!
他の場所では、「噴火活動による噴石 降灰 スリップ注意」というネオンサイン看板。
バイク乗りとして、雨や雪によるスリップ注意の看板なら数えられないくらい見てきましたが、噴石・降灰によるスリップ注意なんていうバリエーションを見たのは初めてで、いったいどんな場所だよと大変驚愕です。
桜島ならではの注意喚起。訪問するまで知りませんでしたが、日本にもこんな場所があるんですね…。
さらに島を走っていると時折目につくのは、コンクリートで頑丈に作られた、万が一噴火が起こった際の噴石除けの退避壕。
退避壕という文字の横に緑色の非常口のようなマークがありますが、ここでは走って逃げる人に加えて、退避壕と噴石のマークも書かれています。
こんなバリエーションもあるなんて、恐るべき現役火山・桜島。
あたりを散策していると、街の石垣に溶岩が活用されたりもしちゃってます…。
さらには観光スポットとして、溶岩展望所なんていうものまでありました。
展望所の駐車場のおじさんの話によると、タイミングよければ(?)、火山活動のゴォーっという音が聞こえるそうです。ひえ~
桜島では、火山活動の猛威に対応することに加えて、溶岩など火山活動により生まれたものを、島の生活に生かしているようでした。
桜島の火山活動は現在も活発であり、危険と隣り合わせであると同時に、溶岩などを生かした島づくりもされている。
火山噴火なんて遠い世界のことだと思ってたけど、桜島では今でもその危険と隣合せなのね。
赤水展望広場で叫ぶ肖像
このように現在でも火山活動が活発な桜島ですが、ここにはそのような地質を生かした珍スポットなるものまでありました。
それは島の西側の赤水展望広場というところに位置しています。
筆者はその場所をほとんど調べずに、位置情報だけナビに入力していったのですが、そこでは驚愕の光景が目に入ってきました。
∑(๑ºдº๑)!!
広場に入ったあたりで、溶岩に囲まれながら、空に向かって大声で叫んでいる男性の巨大な石像が目に入ってきました。
まるで溶岩の中からガバっと出てきたようにも見えて、今にも叫んでいる大声が聞こえてきそうな迫力があります。
他の角度からも観察していると、男性の手のようなものも見え、何か線の入った物体を握っているようです。
いったい青空に向かって何を叫んでいるのでしょうか…
正面から見ると顔はけっこう細いようです。
それにしても、なんかちょっと怖いような印象もあります。笑
予備知識がほとんどない状態で行ったため、この石像がいったいなんなのかわからず、ただ叫んでいる表情に強い迫力を感じましたが、近くの案内板にはきちんとこの石像が何なのかの説明がありました。
この像の名前は「叫びの肖像」。ズバリこの像の姿を言い当てている名前ですね。
そして石像のモデルはただのおじさんではなく、国民的歌手で今でも熱狂的な人気を誇るあの長渕剛なんです!
平成16年に「長渕剛桜島オールナイトコンサート」が開催され、7万5千人もの人々がこの広場を埋めつくしたそうです。
その時の熱気と感動を残そうとして建立されたのがこの叫びの肖像ということで、桜島の総量約50トンの溶岩が使われているとのことです。
「この地に集結し、共振した熱き振動が、桜島に新たな大噴火口を隆起させた」というイメージが表現されているということで、長渕剛ファンの聖地となっているそうです。
桜島の溶岩で製作された、迫力ある「叫びの肖像」のモデルは国民的歌手の長渕剛。
赤水展望広場で見ることができる。
最初見たときは誰なのか全くわからずその迫力にびっくりしたけど、モデルがまさかあの長渕剛だったなんて!
まとめ
今回紹介した「叫びの肖像」は、長渕剛がモデルとなっているということもあり、珍スポット的な外観を呈しつつも、一般的な観光地とも言うことができます。
珍スポット好きを初め、そうでない方も桜島や他の鹿児島の観光地と併せて楽しむことができる場所でした。
筆者も「叫びの肖像」以外にも、この他に阿蘇山など九州ツーリングを満喫しました笑
何はともわれ、桜島の溶岩から製作された石像に感じるロマン、興味がある方はぜひ叫びの肖像へ!
- 桜島の火山活動は今も活発。危険もあるが、溶岩などを生かした島づくりもある。
- そんな桜島の溶岩で製作されたのが迫力ある「叫びの肖像」。モデルは歌手の長渕剛。
- かつてオールナイトコンサートが行われた赤水展望広場で叫んでいる。
長渕剛についてはあまり知らなかったけど、この叫びの肖像はぜひ見てみたいわね
訪問日:2022月4月29日
詳細情報
- 住所 :鹿児島県鹿児島市桜島赤水町3629-3
- アクセス:桜島港から車で約4分/サクラジマアイランドビューで赤水展望広場下車 約12分
- 営業時間:見学自由
- 休日 :無休
- 料金 :無料
- 駐車場 :無料
- 問合先 :099-298-5111(観光交流センター)
- 公式HP :http://www.sakurajima.gr.jp/tourism/000356.html
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