1999年から2014年にかけて、少年ジャンプで連載され大人気作品となった「NARUTO」。
登場人物はどれも魅力的でしたが、その中でもナルトの師にあたる自来也のファンだったという方も多いのではないでしょうか。
自来也の強く、男らしく、豪快で、親しみやすいキャラは魅力的で、巨大ガマを口寄せするなど、その使用する術も大変特徴的でした。
多くの人に愛された自来也。そんな自来也と全く無関係と思われる場所に、まるで彼が口寄せしたような巨大ガマが存在するという珍スポットがあるのです。
そして、調べていくうちに自来也とその珍スポットが存在する地域文化との共通点も見えてきました。
今回は、そんな巨大ガマが棲むとされる珍スポット、筑波山・ガマランドについて紹介します。
西の富士、東の筑波
今回紹介する珍スポットは、関東地方東部、茨城県の筑波山にあります。
筆者はこの日、オートバイで首都高速から常磐自動車道を経由して土浦北ICで降りて目的地に向かいます。
しばらく走っていると筑波山がだんだん大きくなって見えてきました。
富士山を初めとして、大きな山に向かう際にその山がだんだん大きく見えてきてわくわくするのは、ツーリングの醍醐味の1つですね。
筑波山は男体山、女体山という二つの頂上があり、外観にもその特徴が表れています。
筑波山は古来から「西の富士、東の筑波」と並び称されるほどの関東の代表的霊峰で、人々の信仰の対象でした。
また、江戸時代には歌川広重などの浮世絵にもよく描かれるなど、人々に親しまれてきました。
そこにいたのは巨大ガマ
珍スポットがある筑波山ロープウェイ山麓駅に着きました。
筑波山にはロープウェイの他に、ケーブルカーも通っておりますが、ガマランドがあるのはロープウェイ山麓駅のほうです。
こちらの観光施設の外観をしたスポットが、巨大ガマがあるとされるガマランドになります。
遠目にも大きなガマがいるのがわかりますか?それでは順に見ていきましょう。
NARUTO!
いました!噂に聞いた巨大ガマ。こうしてみると、すごい格好をしていますね。
半分胡坐をかいて膝に腕をつき、その腕で頬杖をついていて、なんだかすごく偉そうです。
いかにもナルトや自来也が口寄せの術で呼びそうなガマカエルですね。アニメのように今にも話しかけてきそうです。
鳥居と賽銭箱もあり、このガマが御神体のように祀られているということがわかります。
こちらもいい。ちょっと角度を変えて見るのもまた一興ですね。
近くにガマ洞窟という面白そうな場所もありました。
入場料などが記載されていますが、扉はしっかりと閉ざされており、中に入ることができません。
施設の方に入園許可を取れば入ることができるのでしょうか。
そう思いあたりを見回してみます。
しかし、当施設は扉やカーテンは閉め切られおり、管理者がいるようには見えません。
インターネット上を調べたところ、2020年頃までは開いていたという情報はあるのですが、一部で閉園したのではないかという噂もありました。
筆者が訪問したのは2022年7月2日土曜日。
たまたま休園日だったのか、それとも本当に閉園してしまったのか。
ガマ洞窟に入りたかった、残念。
見上げてみればガマ明神
さらに周りを見てみると、こんな案内がありました。「ガマ明神 拝観入口」
こちらの案内の方は登山道につながっているようで、登山客の方がちらほら登ったり降りてきているのを目にしました。
これは何とも興味深い、筆者も案内に従い階段を上がってみます。
階段を上がるとさらにこんな看板、ここはガマランド、入場料は無料ということです。
また、ここからは建物の上部が見ることができますが、よく見るとすごいものが屋根に乗っていることがわかります。
カエルです。建物の上にはなんとカエルが泳ぐように乗っているのです。
そしてさらにそのカエルの上に今度はキリン。なんともシュールな光景です。
しばらくその姿を見て満足したあと、戻ってあたりを見渡してみます。
・・・
・・・
待っていたのは、明らかに長く使われていないと思われるたくさんの遊具でした。乗り物系が多いですね。
かつてガマランドはこの遊具で観光客の活気に満ちていたのでしょうか。。
有限性・時間の流れといったものに何ともやりきれないものを感じ、その耐えきれなさから、今も昔も変わっていないだろう青空を見上げてみます。すると、、
∑(๑ºдº๑)!!
こ、これは!?こいつが案内にあったガマ明神!?
しかも下にあった案内にさらに”大”がついて、ガマ大明神とされています。
建物下にあった、頬杖をつくガマに負けないくらいの大きさですごい存在感があります。
こちらもNARUTOに登場しそうなガマですね。
このような対象を前にすると、いろいろな角度から眺めたくなるのが筆者の性分。
撮影可能な角度を探索します。。
こちらは下から眺めたガマ。こちらからもすごい存在感です。
一緒に鳥居も見ることができ、ガマが”大明神”として祀られるご神体であることがわかります。
こちらは横から見たガマ。青空を見上げているようでいいですね。
昔はもっとガマ全体を撮影できたようですが、残念ながら筆者が訪れたときは草が生い茂ってガマがけっこうな範囲で隠れてしまっておりました涙。。
ガマ大明神を見終わって下に降りようとしすると、こんな看板がありました。
入ることができなかった「ガマ洞窟」のほうではありません。「四六のガマ 生息池」のほうです。
こちらには何があるのだろう、そう思い生い茂る草の方を覗いてみます。
すると、そこには水たまりがあり、その中をおたまじゃくしが泳いでいるのです。
先ほどの使用されなくなった遊具とは対照的に、こちらでは新しい生命の営みがありました。
滅びるものもあれば、新しく生まれるものもあり、世界は千変万化で変わっていきます。
筑波名物、ガマ
実はこの筑波山、ガマがあるのはここまで見てきたガマランドだけではありません。
筑波山の観光客向けの売店などでは、いたるところでガマを見ることができます。
例えば、多く売店で上記写真のように信楽焼のガマがたくさん売られています。
また、筑波山のガマで有名なものといえば、ガマの油です。
ガマの油は、江戸時代に大阪夏の陣にて徳川方に従軍した筑波山の住職の陣中薬として有名になり、全国に知れわたったものに由来するというものです。
後年、このガマの油は筑波山麓に住む香具師・永井兵助が、筑波山の巨大なガマに諭されて、ガマの油を売るための口上を考え出し、江戸でその口上が人気を呼び、ガマの油は江戸時代の代表的売薬になりました。
ガマの油売り口上は、伝統芸能として現在でも筑波山神社にて披露されていて、ガマの油は今も筑波山の名物となっています。
(余談ですが、NARUTOで様々なガマを口寄せする自来也について、子供のころなんで額当が「油」なんだろうと思っていましたが、それもきっとこの筑波山のガマの油に由来しているのかもしれません。
自来也は妙木山で大ガマ仙人の予言を受けたとされていますが、筑波山麓に住む香具師・永井兵助が巨大ガマに諭されたという伝承とも何か似通った点があります。
NARUTOの自来也が修行したとされる妙木山は、ひょっとしたら筑波山をモチーフとしているのではないでしょうか。)
さらにこれ以外にも、売店には様々なバリエーションのガマのお菓子が売られています。
どのお土産のガマもみんなキャラクター的にデフォルメされていて可愛いですね。
こちらの店にいたっては、ガマの鼻くそなるものが売られておりました。
鼻くそさえも観光客のお土産としてしまうとは。筑波山のガマへの愛は恐るべきものですね。
ガマランドも、そのような筑波山のガマ文化が生んだものだと考えられます。
古来より霊峰と知られる筑波山のガマ文化とそこから感じるロマン。
興味がある方はぜひ筑波山・ガマランドへ!
訪問日:2022年7月2日
詳細情報
- 住所 :茨城県つくば市筑波1
- アクセス:公共交通、つくばエクスプレスつくば駅→筑波山シャトルバスつつじケ丘下車
- :車、常磐道土浦北ICから30分
- 営業時間、休日、料金:閉館中か?(本記事で紹介した巨大ガマなどは見られます)
- 駐車場 :有(500円)
参考:NARUTOの自来也
本記事で紹介したNARUTOの自来也を知らない人のために、参考として写真を掲載します。
注意:下記3枚の写真は淡路島の忍里というテーマパークのもので、筑波山・ガマランドのものではありません。ガマランドに行っても下記の自来也やガマ仙人は見られないので注意してください。
こちらがNARUTOの自来也です。本記事で紹介したように、額当には「油」の文字。
後ろには自来也が口寄せしたと思われるガマ仙人。
うーむ、こちらもすごい存在感。
コメント