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福井の越前大仏。大量の石仏、九頭壁、日本一の五重塔まである!?

名古屋大仏、聚楽園大仏、刈宿の大仏、布袋の大仏、牛久大仏、岐阜大仏…etc.

鎌倉や奈良のものとは異なり、一般的には知られていない大仏が世の中にはまだまだある!

北陸の大仏と言えば、日本三大大仏の1つである高岡大仏…まさかそんな常識にとらわれていませんか!?

今回は一般的にはあまり知られていないが、一般的な大仏にも引けを取らない、北陸の越前大仏についての話をします。

北陸と言えば、石川の兼六園や富山の立山、福井の東尋坊など見どころがたくさんありますよね。

そんな有名な観光地ばかりに行っては渋滞に巻き込まれるのは必定。ようやく着いても目的地は混雑していて疲れ果て、何のために休んだのかわからなくなってしまうわ。そんなことにならないように、今回は一般的に知られていない北陸の珍スポットの紹介になります。

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目次

参詣道、門前、そして境内へ

今回紹介する珍スポット・越前大仏は、福井県勝山市の大師山清大寺という寺院に鎮座しています。

浜松の自宅からオートバイで東名高速道路、北陸自動車道と長い距離を走行して福井市に前泊、翌日噂に聞く越前大仏を見に行きました。

すると駐車場から驚きの連続。なんと石仏が車止めの上に横並びに鎮座しているのです。

駐車場からたくさんの仏様が出迎えてくれるとは、なんと慈悲深いお寺なんだろう。筆者の期待のボルテージは高まっていくのでした。

大師山清大寺とは?

大師山清大寺は越前大仏が鎮座している場所としても有名で、入口の寺標にあるように寺院のことを”越前大仏”と呼称されることもしばしばあるようです。公式HPでも「大師山清大寺・越前大仏」と紹介されています。

案内のパンフレットによると、越前大仏が鎮座している大師山清大寺は、1987年に相互タクシーの創業者で実業家の多田清翁が成功立身出世できた恩に報いるため、財を投げうって父母祖先の眠るこの地に建立したということです。

つまり歴史的には最近できたお寺なのです。バブルで世の中が浮かれあがっていた時代に、多額のお金を出資してよく大仏含めたこのような寺院を建てたものだと感心してしまいます。事業に成功したからといって、いったいどのような心境になるとこのような施設を作りたくなるのかなど、いろいろと思いをめぐらせてしまいました。

このようなですが、いつごろからか経営的に納税が困難になって勝山市の管理下になり、施設が公売に出されたことが幾度もありますが、残念ながら買い手は見つかっていないとか…

参詣道

早速大仏を目指して参詣道へ。

有名な寺院の門前には飲食店やお土産屋があり賑わっていることが多いですが、このお寺の門前は驚愕な光景と化していました。

∑(๑ºдº๑)!!

目の前に広がるのは、しっかりとシャッターが閉められた建物の数々…数軒開いている店舗もありましたが、残念ながら多くの店は営業しておらず、門前はシャッター通りと化していました…orz

しかし、捨てる神あれば拾う神ありというように、参詣道に見どころがないわけではありません。参詣道の両脇を見てください。

駐車場と同じように、参詣道の建物の前にもたくさんの石仏が安置されているのです。門前の店が廃れてしまっているといっても、これは大変信心深い参詣道ではありませんか…!

さらに進んでいくと、上方には色とりどりのカラフルな傘が下げられ、参拝者の心を洗うような大変きれいな景観が作り出されていました。門前に栄華がなくても、関係者の方々のお寺を思う信心深い気持ちが見てとれる参詣道のようです。

山門

社務所で拝観料を払い、いよいよ境内へと入ることになります。境内入口にはこの寺院の権威を示すかのように壮大な山門が立っていました。

そして山門の両側には一般的なお寺によく見られる、厳めしい姿をした巨大な仁王像。このお寺を守るようにして立っています。

また近くにはバリエーションに富んだ多数の仏像。駐車場、参詣道に山門近くと、数・種類ともにたくさんの仏像が鎮座しているのがこのお寺の特徴のようです。

CHECK
  • 越前大仏が鎮座している大師山清大寺は、1987年に相互タクシーの創業者で実業家の多田清により建立。
  • 残念ながら境内までの門前町は廃れているが、大量の仏像やカラフルな傘、山門などの見どころも。

廃れてしまっている門前町まで楽しめるかどうかは、あなたの気持ち次第だと思うの!

越前大仏

大仏殿

山門と通ってしばらく進むと見えてきたのはこれまた壮大な大仏殿

案内のパンフレットによると、間口58メートル・奥行き48メートル・高さ52メートルのコンクリート製で、その大きさはなんと奈良の東大寺大仏殿より大きいということです…!

わざわざ奈良の大仏を比較対象にして記載しているのは何とも(笑)ですが、いずれにせよ越前大仏の威光を示すかのような大仏殿です。このような壮大な建物内に鎮座する越前大仏はいったいどのような姿をしているのか…筆者の期待はさらに高まっていきます。

また、大仏殿の近くにはこれでもかというほどの仏像、仏像、仏像…このお寺の特徴であるたくさんの仏像がここでも見ることができるのでした。

大仏殿に入ると、いよいよ待ちに待った越前大仏との対面になります。するとそこには驚愕の光景が待っているのでした…!

大仏

∑(๑ºдº๑)!!

夢にまで見た越前大仏…これまたかなりの大きさで、きらびやかな光背を身にまとっています。かつて見てきた名古屋大仏、聚楽園大仏、牛久の大仏など数々の大仏が頭に浮かびますが、この越前大仏もそれに負けず劣らずのすばらしい迫力をもっているようです。

さらに近づいて見ると、印相を結んだ大仏は優しい目をして口元も少し微笑みながら参拝者を見下ろしていました。このように慈愛・救済に満ちた表情で大仏に見つめられたら、日ごろのつまらない悩みなどどうでもよくなってきませんか?

ようやく待望の越前大仏に会えたという喜びから、様々な視点で大仏様を撮影。どの角度からでも大仏の厳かな威光を感じ取ることができます。

説明によると、越前大仏の高さは約17メートルで奈良の大仏よりも高いということ。ここでもまた奈良の大仏を比較に出すのか何とも(笑)ですが、いずれにせよ越前大仏は見るものを圧倒するほどの大きさなのです。

羅漢・菩薩

また、巨大なのでは越前大仏だけではありません。その両隣を陣取る羅漢・菩薩もこれまた驚くほど巨大なのです。

大仏の左脇に屹立しているのは釈迦羅漢と文殊菩薩。大仏の肩ぐらいの高さであり、法衣に身をつつみ信心深く印相を結んでおります。

右脇にそびえたつのは阿難羅漢と普賢菩薩。こちらも大仏に負けず劣らずの存在感で、見る者を厳粛な気持ちにさせるかもしれません…

小仏

大仏・菩薩・羅漢を見てきましたが、大仏殿は”大きさ”だけではなく、”数”というからも参拝者を圧倒します。

大仏殿の左右及び奥の壁には仏室に安置されたたくさんの小仏、説明によるとその数はなんと1,281体ということです…!

どれも白く美しく、かつ様々な種類の仏像。このお寺には駐車場・参詣道・境内にもたくさんの仏像がありましたが、この大仏殿にいたってその数は頂点を極めます。

階段上

巨大な大仏や菩薩・羅漢、大量の小仏を一通り見終わって振り返ってみると、そこには上方へと続く階段。これを上がると、少し高い位置から大仏殿を見学することができるようです。

早速階段をあがり辺りを見渡すと、先ほど見たものをまた別の角度から見ることができ新鮮な気分になれます。

高い位置から対面した越前大仏。大仏様の視点に少しでも近づくことできた…かも…

CHECK
  • 壮大な大仏殿の中に鎮座する越前大仏。その高さは17メートルで奈良の大仏をも凌駕する。
  • 大仏殿には巨大な羅漢・菩薩、大量・種類豊かな小仏などの見どころもある。

奈良のものを上回る大仏がまさか北陸にあるなんて。
ここまで歳をとったが、わしの見識もまだまだ狭いようじゃの。

大仏以外にも様々な見どころ

メインとなる越前大仏を見終わってしまいましたが、実はこのお寺にはその他にも様々な見どころがありました。パンフレットの案内に従い、これまた大量・様々な仏像が安置されている石回廊を歩き、それらの見どころへと向かいます。

九龍壁

まず、その他の見どころの1つが越前九頭壁

もともとの九頭壁は約260年以上まえに中国北京市の北海公園の湖畔にあり、中国国宝の第一号に指定された装飾壁。

このお寺ではその再現を目指しつつも日本では制作できなかったことから、中国で制作したものを輸入して展示しているということです。この九頭壁は、この越前の地を流れる九頭龍川の名前にもちなんでいるとか。

九頭壁があるとされる九頭殿。期待を胸に中へ入っていくと、そこには目を奪われるほどの光景が筆者を待っていました。

∑(๑ºдº๑)!!

青と緑色を背景に、黄色や白色、紫色、褐色等により9匹の龍が玉をもてあそんでいる装飾壁は、思わず見とれてしまうほどの立派さ・美しさを持っていました。

まさか越前大仏があるお寺にこんなものもあるなんて…!

またおまけに、この九頭殿にもたくさんの仏像が立ち並んでいました。

五重塔

その他の見どころ二つ目としては大仏殿から少し離れた場所にある日本一の五重塔

11月の秋に行ったら美しい紅葉の中にあったため、思わず撮影。

近くで見ると、これまた圧巻の巨大さ。それもそのはず、この五重塔の高さは75メートルということで、京都の東寺の55メートルをも抜いて、日本一の高さを誇っているということです…!

まさか越前大仏のお寺に日本一の五重塔があるという予想だにしていない事実におどろきです。これぞ旅の醍醐味ですね。

さらに驚きなのが、この五重塔を建設するのに、26億6000万円もかかったという事実。あまりにも巨額のお金でそのスケールの大きさに圧倒されるとともに、そこまで巨額のお金を出してこのような五重塔を建設してしまう心理とはどのようなものなのか、これぞ信仰によるものなのかなど、いろいろと考えを巡らせます。

そしてこれまた驚愕なのが、この建物には一般的な五重塔からは想像もしないようなエレベーターという現代的な装置まで設置されていることでした。なんと行き届いた五重塔なんだ…思わず牛久大仏のエレベーターを思い出してしまいます。

中に入ると、各階には石仏や金仏の仏像が各内陣に安置されていました。各階でお参りをして最上階を目指します。

最上階に上がると大変見晴らしの良い景色が目の間に広がります。これが日本一の五重塔から眺める景色なのかと感心、高い位置から見る境内はこれまた立派で見ごたえがありました。

日本庭園

五重塔の西側には回遊式の日本庭園があり、紅葉も色づき始めていて大変きれいでした。配置されている石は九頭竜川上流から採石されたものということです。

散策が終わったあとにはこの公園で一休み、というのもいいかもしれませんね!

CHECK
  • 大仏以外にも、九頭壁や日本一の五重塔、日本式庭園、たくさんの石仏などの見どころがある。

五重塔に出資した金額にはびっくりしちゃったわ。
信仰心の偉大さというものは計り知れないようね。

まとめ

今回紹介した越前大仏は、自分の珍スポット歴の中では中堅ぐらいの位置づけでした。

派手な奇抜性といったものはあまりないかもしれませんが、冷静に観察してみると見えてくるおもしろさがあります。

安置されている石仏や建物はもちろん、建立に至る経緯や現況、出資した金額などに思いをめぐらすのはじわっとくる楽しさがあると思います。

自動車ならアクセスしやすい場所にあるため、他の目的と併せることも可ですね。

奈良の大仏をも凌駕してしまう北陸のロマン、興味がある方はぜひ福井県勝山市の越前大仏へ!

まとめ
  • 越前大仏が鎮座している大師山清大寺は、1987年に相互タクシーの創業者で実業家の多田清により建立。
  • 壮大な大仏殿の中に鎮座する越前大仏。その高さは17メートルで奈良の大仏をも凌駕する。
  • 大仏以外にも、大仏殿の巨大な羅漢・菩薩、大量・種類豊かな小仏や、敷地内の九頭壁や日本一の五重塔、日本式庭園、たくさんの石仏などの見どころがある。

訪問日:2022年11月4日

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