コンクリート像と珍スポット‐この組み合わせを聞いて珍スポットファンが真っ先に思い出すものと言ったら、東海のコンクリート造形師にして珍スポット界の巨匠、浅野祥雲ではないでしょうか?
彼が東海地方で制作したコンクリート像の数々は、珍スポットファンに大きな衝撃を与え続けており、「コンクリート像と珍スポット=浅野祥雲」の構図をゆるぎないものにしています。
しかし、珍スポットファンの中でたしかにこの構図は圧倒的な勢力をもっているものの、世の中には浅野祥雲作ではないコンクリート像による珍スポットも、もちろん存在しているのです。
今回紹介するのは、そのような珍スポットのうちの一つである桶川の美少女について、実際に訪ねた際の様子をもとに小編にて紹介します。
コンクリート像の珍スポットにおける浅野祥雲のイメージが強すぎます。
たしかに彼が残した功績は偉大だけど、彼以外によるコンクリート像の珍スポットももちろん存在しているの。
道角に立つ彫像「桶川の美少女」
今回の珍スポット・桶川の美少女は、その名が示すように埼玉県桶川市下日出谷東あります。この日は埼玉県の珍スポットツーリングの一環として、当地へと立ち寄りました。
目的地は交通量の多い大通りに面していて、向かいには大型ショッピングモールのベニバナウォーク桶川があります。このような日常性あふれる場所に珍スポットがあるとは信じがたいことですが、上の写真のような光景において、すでにその片鱗を表しているのです…!
大通りに面した道角には、その場所には似つかわしくない謎の彫像が展示されているようです。一つ一つ鑑賞していくことにしましょう。
∑(๑ºдº๑)!!
中央には、大胆にも赤い水着を着た女性の彫像が立っているのです!そう、これぞ今回の記事の主役・桶川の美少女なのです…!
なんとも形容しがたい表情をしておりますが、残念ながら、少なくとも美少女顔ではないように思われます。
足元にある石碑は草木に隠れてしまっておりますが、そこには「桶川の美少女 大工 岡野靖夫」と刻まれております。この石碑が示すのは、この彫像の作品名は「桶川の美少女」であり、制作者は岡野靖夫という方であるということ。
調べたところ、岡野靖夫氏は埼玉県美術展覧会に3度も入選するなど美術に造詣が深い方であり、大工を引退したあとに彫刻家となって、2009年にこの作品を制作したということです。
近くの説明板は日焼け等の経年劣化により、残念ながら現在では読むことができないようです。そこで、インターネットにて調査したところ、まだ内容を確認することができたときの情報を得られたため、下記に引用します。
桶川の美少女 大工 岡野靖夫
この作品(彫刻)はコンクリを固めて作った手作りの作品です。従いまして、非常に難しく、苦労した作品の一体です。他に例がないと思います(コンクリ素材として)。
本来ならば着色をせずコンクリで見せたかったのですが、一度倒されヒビが出てしまったので、やむを得ずペインティングしました。アートとして見て頂けたらと思います。これは私の屋外の個展です。(見たくない方は素通りしてください)
この柵内、敷地内には関係者以外入らないで下さい。厳しく申し上げます。
上の説明板には、作者の岡野氏による言葉が掲載されていたようです。それによると、岡野氏の芸術作品として制作されたこの彫像は、コンクリート製で当初は着色されていなかったようですが、一度倒れてヒビが入ってしまったために現在のように色鮮やかな塗装を施したということでした。
また、下の説明板には、岡野氏によって作詞作曲されたという「桶川の美少女」という歌が掲載されていたようです。
桶川の美少女
今日も遠出のハンドル握りゃ
長い旅路が待っている
そんな俺らを癒やすのは
赤い水着がとっても似合う
それは桶川の桶川の美少女よ
今日も早出のハンドル握りゃ遠い景色が俺を待つ
そんな俺らを癒やすのは
白い素肌がとってもきれい
それは桶川の桶川の美少女よ
今日も一日ハンドルル握りゃ赤い夕陽が待っている
そんな俺らを癒やすのは
長い黒髪とっても似合う
それは桶川の桶川の美少女よ
大工 岡野靖夫 作詞作曲
どうやら岡野氏は、「桶川の美少女」を桶川の人々のアイドル的存在としてイメージしていたようです。なんとも岡野氏のイマジネーションは図りしれない…!
美少女の両隣にも彫像が、桶川の美少女を引き立てるようにして立っています。その一つはパンダの彫像。
腕を上げて、中央の美少女を称えるかのようですね!手にもつ旗には、がんばれ日本などと記載されているようですが、残念ながら中央から折れてしまっております。
もう一体は、勇ましく吠えるような姿をしたライオンの彫像。こちらは岡野氏制作ではなく、購入したものであるということです。よく見ると、彫像の下には滑り止めのようなものが入れ込まれておりました。
彫像後方の敷地には雑草が無造作に生い茂っておりました。
このように、なんともシュールな空間が作り出されておりますが、ナニコレ珍百景などのテレビや新聞に取り上げられるほど、有名な作品だということです。
街角に水着姿なんて、大胆だなあ。
まとめ
今回紹介した珍スポット・桶川の美少女、いかがでしたか!?
大通りに面した道角で、水着を着た女性の彫像を中心にシュールな光景が展開されており、この場所を珍スポットと呼ぶにふさわしい空間が形成されているようです。
大変ユニークな作品群ですが、残念ながらあっという間に見終わってしまうため、ベニバナウォーク桶川でショッピングをするついでに立ち寄ってみるのがよいかもしれません。
道角に立つ水着を着た女性の彫像から感じるロマン、どうしても気になる方は桶川の美少女に会いに行ってみてください!
- 桶川の美少女は、埼玉県桶川市下日出谷東の大通りに面した道角に立っている。
- 美術に造詣が深い岡野靖夫氏が2009年に制作したものである。
訪問日:2024年1月6日
詳細情報
- 住所 :埼玉県桶川市下日出谷東
- アクセス:圏央道 桶川北本ICより約3.5km 車で7分/JR桶川駅より約1.5km 徒歩25分
- 営業時間:24時間
- 休日 :無休
- 料金 :無料
- 駐車場 :なし
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