貝塚、集落塚、城跡、古戦場、古墳など、日本を含め世界各地には様々な種類の史跡を見ることができます。
そこからは得られるものは様々で、過去の人々の営みを知ることで現在の自分の再位置づけを行うことも可能であれば、一般的な観光地として楽しむこともできるでしょう。
そのような史跡ですが、時として見るものに不可思議な光景を呈することで珍スポットの分類の一つとして扱われることもあります。
そこで今回は、そのような史跡でありながら珍スポットとしての要素ももつ吉見百穴(よしみひゃくあな)について見ていくことにしたいと思います。
自分は古戦場を見て戦国時代の武将に思いを馳せるのが好きですね。
一概に史跡といっても、本当にいろいろな種類のものがあるわね。
今回はそんな史跡の中でも同時に珍スポット的でもあるものを紹介するそうよ。
いざ、吉見百穴へ
今回紹介する珍スポット・吉見百穴は、埼玉県比企郡の吉見町にあります。この日は同じ埼玉県内の珍スポットである聖天宮へ行った後に本目的地を訪問しました。
吉見百穴は埼玉県では有名な観光スポットであるらしく、日曜日であった訪問日も家族連れからカップル、お一人様までたくさんの観光客でにぎわっていました。
お目当てである吉見百穴を概観する前に、百穴前の売店で小休止。ツーリングの疲労を癒すことにします。
店頭で売られていた埼玉県の名菓である手造りの五家宝が目に入ったため、食欲のままにチョコ味ときな粉味を購入して店内で食しました。うーむ、うまい!
- 埼玉県比企郡吉見町の吉見百穴は史跡として有名な観光スポットで、休日は老若男女多くの観光客でにぎわっている。
珍スポットであるだけでなく、埼玉県内の史跡としても有名なんだね。
吉見百穴の概観
五家宝を食べて疲れを癒した後は、いよいよ吉見百穴について概観していくことにします。売店を後にして百穴のほうへ目を向けると、そこには摩訶不思議な光景が眼前に広がっているのでした…!
∑(๑ºдº๑)!!
眼前に広がるのは岩壁に彫られた穴、穴、穴…これぞ吉見百穴が呈する不可思議な光景なのです。たくさんの穴から作られる独特の景観は見るものにワンダーな感情を引き起こしてしまうこと間違いなしでしょう。
現地の説明板によると、約200年から「百穴」の名が文献に見られており、不思議な穴として興味を持たれていたということです。明治時代に発掘調査が行われて住居説などが唱えられたものの、大正時代になると考古学の発達によって古墳時代後期に死者を埋葬する墓穴として作られたものであることが明らかになったということです。
そして、大正十二年には我が国を代表する横穴群として、国の史跡にも指定されたということでした。
現在ではこのような不思議な景観を呈していますが、はるか昔につくられた死者を埋葬するための横穴群を眺めていると、太古の昔の人々の営みに思いを馳せてしまいそうですね。
横穴群の中央部には階段があって、穴穴を眺めながら上に登っていくことが可能です。
穴にもいろいろなものがあり鉄格子と網がかかっているものもあれば、自然のまま何もかかっておらず中を覗くことが可能なものもありました。
穴の中を覗いてみると中には空洞が広がっており、両サイドは一段高くなってベッドのようになっていました。ここに死者を寝かせて埋葬したのでしょうか。
階段を上っていくと、展望台のように町全体を一望することもできます。これは珍スポットとはまた違った爽快な景色ですね。
この吉見百穴、第二次世界大戦中にいくつかの穴が壊されて工場とされていたということですが、現在でもその名残を残す数か所の横穴は崩落の危険性があるということで封鎖されていました。訪問日はまだ残暑でしたが、工場の横穴付近は非常に涼しさが漂っていました。
南側の通路も滑落等の危険性があるためか立ち入り禁止となっていました。現在は北側と中央の階段のみで岩壁の上へと登っていくことができるようです。
また2,3の横穴の中には、ほの暗い洞窟内や森林内の湿地に生える珍しい「光こけ」が自生しているものもあり、天然記念物にも指定されているそうです。
- 吉見百穴に見られるたくさんの穴からは、独特かつ不可思議な光景が作り出されている。
- たくさんの穴は、古墳時代後期に死者を埋葬する墓穴として作られたものであるということ。
はるか昔につくられた、がらんどうの穴からはノスタルジーを感じることもできるわね。
まとめ
今回珍スポットとして紹介した吉見百穴は、古墳時代というはるか昔に死者を埋葬するために彫られた穴が残存して、現在では摩訶不思議な光景を作りだしているという、珍スポットの中でも珍しい部類のものに入るでしょう。
独特な外観からは不可思議はもちろんのこと、古墳時代に彫られた穴ということを知ると、過去の人々の営みに思いを馳せるノスタルジーに誘われることにもなるでしょう。
吉見百穴は珍スポットであるだけでなく通常の観光地としても有名であるため、埼玉旅行の行先の有力候補として選択肢に入れることも可能ですね。
はるか昔に岩壁に彫られた墓穴から感じるロマン、興味を持った方はぜひ週末に吉見百穴を訪問してノスタルジーを堪能してください!
- 埼玉県比企郡吉見町の吉見百穴は有名な観光スポットで、老若男女多くの観光客でにぎわう。
- 吉見百穴に見られるたくさんの穴からは、独特かつ不可思議な光景が作り出されている。
- たくさんの穴は、古墳時代後期に死者を埋葬する墓穴として作られたものであるということ。
訪問日:2023年9月17日
詳細情報
- 住所 :埼玉県比企郡吉見町北吉見327
- アクセス:関越自動車道 東松山ICより約4.5km 15分
- 営業時間:8:30~17:00
- 休日 :無休
- 料金 :中学生以上:300円/小学生:200円/小学生未満:無料
- 駐車場 :有
- 問合先 :0493-54-4541
- 公式HP :https://chocotabi-saitama.jp/spot/34445
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